長年、モータースポーツ撮影の相棒はEOS Kiss X5だった。ただ、動体撮影となると話は別で、競技車両を追いかけるたびにピンボケの多さに悩まされていた。
今回、ラリー北海道とTGRラリーチャレンジという2つの実戦の場でOM-D E-M1 Mark IIを投入してみた。目的ははっきりしていて、「作品写真を劇的に増やす」ことではなく、動体撮影でのピンボケを減らし、ブログに使える写真の歩留まりを上げることだった。実際に使ってみて見えてきたメリットとデメリットを、EOS Kiss X5との比較を交えながらまとめておく。
目次(クリックでジャンプ)
結論|OM-D E-M1 Mark IIへの買い替えで写真の歩留まりは大幅に改善

先に結論から書いてしまう。
動体撮影時のAF追従性は、EOS Kiss X5とは比べものにならないほど良くなった。以前は撮った写真の半分以上がピンボケでボツになることもあったが、今回は約8割の写真がピントの合った状態で仕上がった。これだけでも買い替えた価値は十分にあったと感じている。
一方で、期待していたほどトリミング耐性は高くなかった。
そして、「良い写真」と呼べる枚数自体はEOS Kiss X5の頃と大きく変わらなかった。歩留まりは上がったが、心から気に入る一枚が量産されるようになったわけではない。
とはいえ、今回の買い替えの目的はブログ用写真の歩留まり改善だったので、その点では十分に達成できたと言っていい。35mm判換算600mmという望遠を活かしつつ、なるべく撮影の時点で構図を決め切る意識を持つことが、このカメラを使いこなす上でのポイントになりそうだ。
以下、実際の撮影を振り返りながら、この結論に至った経緯を詳しく書いていく。
ラリー北海道とTGRラリーチャレンジがOM-D E-M1 Mark IIの初陣
OM-D E-M1 Mark IIを手に入れて、最初に実戦投入したのがラリー撮影だった。2026年、北海道で観戦できるモータースポーツのシーズンも終盤に差し掛かっていて、正直なところ、このカメラはラリー北海道の撮影を目的に購入したと言っても過言ではない。実際の競技車両を撮影しながら、EOS Kiss X5からどれだけ進化したのかを確認してみた。
ラリー北海道で実戦投入
ラリー北海道の撮影環境の中で、実際に走行中の車両を撮影しながらAF性能を確認した。EOS Kiss X5のときとは違う手応えがあり、AFの追従性の違いをはっきりと感じることができた。
望遠での撮影のしやすさも印象に残った。35mm判換算600mmという画角があれば、離れた位置からでも車両をしっかり引き寄せて捉えることができる。
▼ラリー北海道 観戦記は下記

TGRラリーチャレンジでも撮影
続けて撮影したのがTGRラリーチャレンジだ。ラリー北海道とは異なる撮影環境の中で、あらためて動体撮影時のAF性能を確認する機会になった。
こちらでも、AFがしっかり車両を追ってくれる感覚は変わらず、撮影環境が変わっても大きく崩れなかったことで、EOS Kiss X5との差をより確信できた撮影になった。
▼TGRラリーチャレンジ 観戦記は下記

OM-D E-M1 Mark IIの良い点・悪い点をEOS Kiss X5と比較
良い点|動体撮影の歩留まりが圧倒的に上がった
今回の買い替えで一番大きく変わったのは、間違いなくここだ。AFの追従性がEOS Kiss X5から大幅に良くなり、以前は撮影した写真の半分以上がピンボケでボツになっていたような場面でも、OM-D E-M1 Mark IIでは約8割の写真でしっかりピントが合っていた。
これは「良い写真」が増えたという話とは少し違う。むしろ、使える写真を安定して撮れるようになったことこそが最大のメリットだと感じている。
悪い点|トリミング耐性が意外と低い
反対に、実際に使ってみて初めて強く感じたデメリットもある。それがトリミング耐性の低さだ。
EOS Kiss X5の頃は、大胆にトリミングしてもブログ用途なら使えた写真があった。しかし同じ感覚でOM-D E-M1 Mark IIの写真を切り抜こうとすると、以前ほどの余裕は感じられなかった。マイクロフォーサーズという規格上、画素数やセンサーサイズが影響している部分もあるのではないかと考えている。
つまり、トリミング前提で「あとから寄せる」という撮り方は向いていないということだ。撮影の段階で被写体をしっかり大きく写しておくことが重要になる。35mm判換算600mmという望遠を持っているのだから、「望遠が足りないから後で切り抜く」のではなく、「最初から600mmで寄って撮る」という運用の方がこのカメラには合っている。
OM-D E-M1 Mark IIで撮影したラリー写真の作例
ここからは言葉を詰め込みすぎず、写真そのものを見てもらいたい。
ラリー北海道の撮影作例



TGRラリーチャレンジの撮影作例



良い写真は機材だけでは決まらないと再認識
今回増えたのは「作品写真」ではなく「使える写真」
自分の撮った写真は、だいたい3段階に分けられると思っている。ピンボケや見切れなどで使い物にならない「ボツ写真」、ピントが合っていて文章の補足として成立する「ブログで使える写真」、そして写真単体で見ても成立し、自分自身が心から「良い」と思える「作品写真」だ。
今回のOM-D E-M1 Mark IIへの買い替えで大きく増えたのは、間違いなく2番目の「ブログで使える写真」だった。ピントが合う写真の数そのものが増えたことで、記事作りに使える選択肢が広がった。
作品写真の枚数はEOS Kiss X5時代と変わらなかった
ただし、正直に書いておきたいことがある。歩留まりは大幅に良くなったのに、「これは良い写真だ」と胸を張れる作品写真の枚数は、EOS Kiss X5の頃とそれほど変わらなかった。丸1日撮影しても、作品写真と呼べるカットは3〜4枚程度だった。
考えてみれば当たり前の話でもある。作品写真というのは、AF性能や望遠性能だけで決まるものではない。構図、シャッターを切るタイミング、背景の抜け方、光の状態、撮影する立ち位置など、撮影者側の技術や判断が大きく影響してくる部分だからだ。
それでも今回の買い替えは成功だった
とはいえ、今回の目的は「写真家として作品写真をたくさん増やすこと」ではなかった。あくまでブログに使える写真の歩留まりを改善することが目的だったので、その点ではOM-D E-M1 Mark IIへの買い替えは間違いなく成功だったと言える。
「機材を変えれば写真が劇的に上手くなる」という話ではなく、撮影者自身が持っている技術をきちんと活かせる土台として機材をアップデートした、というのが今回の実感に一番近い表現かもしれない。
まとめ|OM-D E-M1 Mark IIはモータースポーツ撮影の歩留まり改善に効果を実感
EOS Kiss X5から買い替えて、一番実感したのはやはりAF性能の進化だった。ピントの合う写真が増えたことで、ブログに使える写真の歩留まりは大幅に改善された。
一方で、トリミング耐性には正直不満が残った。だからこそ、35mm判換算600mmという望遠をしっかり活かして撮ることが重要になってくる。そして、機材を変えても作品写真の枚数そのものは大きく変わらなかった。良い写真を撮るには、やはり撮影する側の技術も欠かせないということを改めて思い知らされた。
総合的に見ると、OM-D E-M1 Mark IIは「良い写真を増やすカメラ」というより、「失敗写真を減らし、使える写真を増やすカメラ」として評価するのがしっくりくる。ラリーやサーキットなど、動体撮影を中心に使うのであれば、EOS Kiss X5からの買い替え効果は十分に感じられるはずだ。

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