今年はカメラを買わないつもりだった。
モータースポーツ撮影では長年Canon EOS Kiss X5を使ってきたが、連写やオートフォーカス、望遠撮影などを考えると、そろそろ買い替えたいと感じていた。しかし、最新カメラは価格が高く、せっかく買うならエントリークラスではなく、明確な進化を感じられる機材が欲しい。そう考えて購入を見送っていた。
ところが、最終的に中古のOM-D E-M1 Mark IIとLUMIX G VARIO 100-300mm F4.0-5.6 II POWER O.I.S.を購入。選んだのはフルサイズでもAPS-Cでもなく、マイクロフォーサーズだった。
なぜ購入することになったのか。そして、なぜモータースポーツ撮影にマイクロフォーサーズを選んだのか。その理由を紹介する。
目次(クリックでジャンプ)
結論|モータースポーツ撮影にマイクロフォーサーズを選んだ

今回マイクロフォーサーズを選んだ最大の理由は、モータースポーツ撮影に必要な望遠性能と、機材の軽さ・コンパクトさを両立しやすいからだ。
サーキットやラリーでは遠くの車両を撮影するため、望遠レンズが欠かせない。マイクロフォーサーズなら、今回購入したLUMIX G VARIO 100-300mm F4.0-5.6 II POWER O.I.S.で35mm判換算200-600mm相当の画角をカバーできる。
さらに、防塵・防滴性能を備えたシステムを構築できることや、OM SYSTEM/OLYMPUSとPanasonic LUMIXのレンズを選べることも魅力だ。
軽量・コンパクトな望遠システム、レンズの選択肢、耐候性。これらを総合的に考えた結果、自分のモータースポーツ撮影にはマイクロフォーサーズが合っていると判断した。
「最新のカメラを買う」のではなく、モータースポーツを撮るために必要な撮影環境を、現実的な予算とサイズで整える。その答えとして選んだのが、中古のOM-D E-M1 Mark IIだった。
「今年はカメラを買わない」と言っていたのに、なぜ購入したのか
以前の記事で「今年はカメラを買わない」と書いた。
モータースポーツ撮影用のカメラを買い替えたい気持ちはあったものの、新品の最新機種を選ぶと、ボディだけで予算が大きく膨らむ。せっかく買い替えるなら、長年使ってきたEOS Kiss X5から明確な進化を感じられるカメラが欲しい。そう考えると、今年は無理に買わなくてもいいという結論になった。
▶ 今年はカメラを買い替えない理由を紹介した記事

ところが、中古カメラ市場に目を向けると状況が変わった。
今回購入したのは、10年前のハイエンド機であるOM-D E-M1 Mark II。ボディを約7.8万円、望遠レンズのLUMIX G VARIO 100-300mm F4.0-5.6 II POWER O.I.S.を約5.8万円で購入し、合計約13万円でカメラと超望遠レンズを揃えられた。
新品の最新カメラを1台購入するのではなく、過去のハイエンド機と望遠レンズを中古で組み合わせる。そう考えると、予算の使い方が大きく変わる。
EOS Kiss X5からの買い替えで、連写やAF性能を向上させたい。さらに、サーキットやラリーで遠くのマシンを撮影するため、望遠撮影の環境も強化したい。
その両方を考えたとき、最新のカメラを1台買うよりも、中古のハイエンドボディと望遠レンズを組み合わせるほうが、自分の撮影スタイルには合っていた。
「今年はカメラを買わない」という判断を変えたのは、カメラそのものが欲しくなったからではない。中古市場を活用することで、現実的な予算でモータースポーツ撮影の環境を一新できると気づいたからだ。
中古のOM-D E-M1 Mark IIを選んだ理由

今回購入したのは、2016年発売のOM-D E-M1 Mark II。約10年前のカメラだが、当時はOM-Dシリーズのフラッグシップモデルにあたる機種だった。
最新モデルではないものの、当時のハイエンド機だけあって、モータースポーツ撮影で重視したい連写性能やAF性能、強力な手ブレ補正、防塵・防滴性能などを備えている。
長年使ってきたEOS Kiss X5からの買い替えで期待しているのは、特に動体撮影の性能だ。モータースポーツでは高速で走る車両を追いながら撮影するため、連写やAFの性能は写真の歩留まりに直結する。
最新のエントリー機を選ぶ方法もあったが、今回はあえて過去のハイエンド機に目を向けた。10年前のフラッグシップ機が現在の中古市場で7.8万円まで価格が下がっているなら、最新機種にこだわらず、実際の撮影で必要な性能を優先するという選択肢もある。
望遠レンズも中古のLUMIX G VARIO 100-300mmを購入
ボディと合わせて購入したのが、LUMIX G VARIO 100-300mm F4.0-5.6 II POWER O.I.S.。
マイクロフォーサーズでは、35mm判換算で200-600mm相当の画角をカバーする。モータースポーツ撮影では遠くを走るマシンを大きく写すために望遠レンズが欠かせないが、このレンズならサーキットやラリーで必要となる望遠域を確保できる。
しかも、フルサイズ用の600mmクラスと比較すれば、機材をコンパクトにまとめやすい。カメラとレンズを持って長時間歩き回ることもあるモータースポーツ撮影では、このサイズ感も重要なポイントになる。
EOS Kiss X5からの買い替えでどこまで変わるのか
これまで使用してきたEOS Kiss X5と55-250mmの組み合わせから、カメラボディだけでなくレンズも含めて撮影システムを刷新することになった。
EOS Kiss X5からOM-D E-M1 Mark IIへ変更することで、連写やAF性能の向上に期待している。さらに、55-250mmを装着したEOS Kiss X5では、35mm判換算で約88-400mm相当。OM-D E-M1 Mark IIでは、100-300mmレンズが200-600mm相当になり、望遠域も広がる。
もちろん、10年前のハイエンド機とはいえ、最新カメラと同じ性能を期待しているわけではない。それでも、現在の撮影環境からどこまで進化を感じられるのかは興味深いところだ。
今回の買い替えでは、新品の最新カメラ1台を購入するのではなく、中古のハイエンドボディと望遠レンズを組み合わせた。
カメラ本体だけでなく、モータースポーツ撮影に必要なレンズまで含めて考えた結果、約13万円で新しい撮影システムを構築できた。
そして、この「コンパクトなボディで望遠撮影を楽しめる」という組み合わせこそ、今回マイクロフォーサーズを選んだ理由につながっている。
モータースポーツ撮影にマイクロフォーサーズが最適だと考えた理由
今回、モータースポーツ撮影用のカメラを買い替えるにあたり、フルサイズやAPS-Cではなくマイクロフォーサーズを選んだ。
最大の理由は、モータースポーツ撮影で重要になる望遠撮影を、比較的コンパクトな機材で実現できるからだ。
サーキットでは観客席からコース上を走るマシンを撮影することが多く、ラリーでは安全上の理由からコースから離れた場所で撮影する。そのため、被写体との距離が遠く、200mmや300mmといった望遠域が必要になる場面も多い。
しかし、焦点距離が長くなるほどレンズは大型化し、重量も増えていく。撮影ポイントを移動しながら長時間カメラを持ち歩くことを考えると、機材の軽さは無視できない。
マイクロフォーサーズなら、センサーサイズの特性から35mm判換算で焦点距離を約2倍として考えられる。今回購入したLUMIX G VARIO 100-300mm F4.0-5.6 II POWER O.I.S.も、35mm判換算で200-600mm相当の画角をカバーする。
600mm相当の望遠域まで使えるにもかかわらず、フルサイズで同等の画角を実現するシステムと比べれば、機材をコンパクトにまとめやすい。遠くのマシンを大きく写したい一方で、できるだけ機材を軽くしたい。この相反する条件を両立しやすい点が、モータースポーツ撮影とマイクロフォーサーズの相性だと感じている。
雨や砂ぼこりへの耐候性も重要
モータースポーツは基本的に屋外で開催される。サーキットでも天候が変わることがあり、ラリーでは雨や砂ぼこりなど、より過酷な環境で撮影することもある。
特に北海道でモータースポーツを撮影していると、天候が安定しないことも珍しくない。撮影当日に雨が降ったからといって、簡単に予定を変更できるとは限らない。
そのため、カメラを選ぶ際には画質やAF性能だけでなく、防塵・防滴性能も重視したいポイントだった。
OM-D E-M1 Mark IIは防塵・防滴性能を備えており、対応するレンズと組み合わせることで、屋外のモータースポーツ撮影でも安心感のあるシステムを構築できる。
もちろん、防塵・防滴だからといって雨や砂ぼこりを完全に気にしなくていいわけではない。それでも、天候に左右されやすい撮影環境では、機材の耐候性が撮影を続けるための重要な要素になる。
レンズの選択肢と価格のバランスがいい
マイクロフォーサーズを選ぶもう一つの理由が、レンズの選択肢だ。
OM SYSTEM/OLYMPUSだけでなく、Panasonic LUMIXのレンズも選べるため、新品と中古を含めて幅広いレンズから選択できる。
モータースポーツ撮影では、撮影する場所や競技によって必要な焦点距離が変わる。サーキットで使う望遠レンズと、ラリーで使う望遠レンズでは、求める焦点距離や機材のサイズも変わってくる。
その点、マイクロフォーサーズなら中古市場も含めてレンズを探しやすく、必要になったタイミングで少しずつシステムを拡張できる。
今回のOM-D E-M1 Mark IIとLUMIX G VARIO 100-300mmの組み合わせも、その選択肢の一つだ。
モータースポーツ撮影では、カメラの性能だけでなく、「遠くの被写体を撮影できること」「長時間持ち歩けること」「天候に対応できること」が重要になる。
その条件を考えると、軽量・コンパクトなボディと望遠レンズを組み合わせやすいマイクロフォーサーズは、自分の撮影スタイルにかなり適した規格だと考えている。
マイクロフォーサーズは今後どうなる?アクションカメラにも広がる可能性に期待
マイクロフォーサーズを選んだ理由は、現在のモータースポーツ撮影との相性だけではない。今後、この規格がアクションカメラなど新しいジャンルにも広がっていく可能性にも期待している。
最近は、アクションカメラとミラーレスカメラの境界が少しずつ曖昧になっている。小型ボディに高性能なセンサーや手ブレ補正を搭載し、これまで一眼カメラが担ってきた撮影領域にも進出している。
GoPro「MISSION 1 ILS」で見えた交換レンズの可能性
その象徴的な動きの一つが、GoProが発表した「MISSION 1 ILS」だ。
アクションカメラといえば、基本的には固定レンズで広角撮影をするスタイルが一般的だった。しかし、交換レンズという考え方が加われば、アクションカメラでも撮影用途を大きく広げられる可能性がある。
モータースポーツとの相性もいいかもしれない。
車載カメラとして使う場合は広角レンズ、サーキットで走行シーンを撮影する場合は望遠レンズというように、1台のカメラで撮影スタイルを変えられるからだ。
もし小型のアクションカメラにマイクロフォーサーズのような交換レンズシステムが組み合わされれば、これまでの「アクションカメラ」と「ミラーレスカメラ」の中間に位置する新しい撮影機材が生まれるかもしれない。
Insta360のマイクロフォーサーズ機の噂
360度カメラやアクションカメラで存在感を高めているInsta360からも噂が出ている。
現時点でマイクロフォーサーズを採用したカメラが登場すると決まっているわけではないが、マイクロフォーサーズを搭載したモデルの噂が出ている。もしInsta360が小型ボディと交換レンズを組み合わせたカメラを投入すれば、マイクロフォーサーズの新たな可能性が見えてくる。
特にInsta360が持つアクションカメラの技術と、マイクロフォーサーズの交換レンズシステムが組み合わされれば、モータースポーツの撮影方法も変わる可能性がある。
DJIも追随するのではないかという期待
同じようにDJIの動向にも期待している。
DJIはドローンだけでなく、アクションカメラやジンバルカメラなど映像分野で存在感を高めている。今後、アクションカメラの高性能化がさらに進めば、交換レンズを使った本格的な撮影に対応する製品が登場しても不思議ではない。
▶ 筆者はDJIユーザーのため期待している

もちろん、Insta360、DJIが今後マイクロフォーサーズを採用するとは限らない。しかし、アクションカメラの小型・軽量というメリットと、ミラーレスカメラのレンズ交換というメリットが融合すれば、マイクロフォーサーズが新たな形で注目される可能性はある。
スマートフォンのカメラ性能が向上し、カメラ市場全体が変化する中で、カメラも「大きくて高性能なもの」だけが選ばれる時代ではなくなっている。
小型・軽量でありながら、望遠から超望遠までレンズを交換して撮影できる。今回マイクロフォーサーズを選んだ自分としては、こうした方向性が今後さらに広がってほしいと感じている。
今すぐ新しいカメラが登場するわけではないが、マイクロフォーサーズを単なる「小型センサーの規格」として見るのではなく、小型・軽量なカメラシステムを実現するための選択肢として考えると、まだまだ可能性は残されているように思う。
まとめ|マイクロフォーサーズでモータースポーツ撮影をアップデートする
「今年はカメラを買わない」と決めていたが、中古のOM-D E-M1 Mark IIとLUMIX G VARIO 100-300mm F4.0-5.6 II POWER O.I.S.を購入した。
決め手になったのは、中古価格だけではない。望遠撮影に必要な焦点距離を確保しながら、機材を軽量・コンパクトにまとめられること。そして、防塵・防滴性能や豊富なレンズ選択肢も含め、モータースポーツ撮影という自分の用途に合っていると感じたからだ。
最新機種を所有することより、サーキットやラリーで持ち歩きやすく、遠くのマシンをしっかり撮れる撮影システムを作ること。今回はそこを優先した。
とはいえ、実際の撮影でどこまでEOS Kiss X5からの進化を感じられるかは、これからの検証になる。
9月のラリー北海道までにOM-D E-M1 Mark IIを使いこなし、モータースポーツ撮影の環境がどこまで変わるのかを実戦で確かめたい。



















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