iPhone 17 Proを購入した。購入を決めた経緯については別の記事にまとめてあるので、そちらを参照してもらいたい。
本当は記事にするつもりはなかった。しかし実際に使ってみると予想以上に良く、5日間じっくり使った感想をまとめることにした。これから購入を検討している人にとって、少しでも参考になればと思う。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
結論|手に馴染む過去最高のiPhone

今回のiPhone 17 Proは、箱から取り出して手に持った瞬間から自然にしっくりくる感覚があった。これまでiPhone 4S、6 Plus、XS、16 Proと乗り換えてきたが、その中でも群を抜いて快適に感じた。
この「手に馴染む感覚」はスマートフォンに限らず、長く愛用する道具に共通する感覚だと思っている。正直、この感覚を得られただけで18万円分の価値はあると思ってしまった。なぜなら、これまでの経験で、この感覚を得られた製品は例外なく長い期間使い込む愛用品となっているからだ。
ただ、感覚だけで終わらせるのはレビューにならない。ここからは5日間使って感じた細かい部分を順番に紹介していくことにする。
持ちやすさの理由|角の丸みだけではない
YouTubeなどでも「持ちやすくなった」という感想を見かける。その理由として「側面の角の丸みが増したからではないか」と説明されていることが多い。筆者も同じ予想を立てた。そこでAppleが公開しているアクセサリー開発用の図面を使い、実際に比較してみた。
配布ページ:https://developer.apple.com/jp/accessories/

確かに16 Proより背面の丸みは大きくなっていた。ただし思ったほど大きな変化ではなく、むしろ控えめな印象である。丸みを帯びた形状の代表例としてiPhone XSと比較すると、むしろ17 Proのほうが角張っているほどである。

それでも17 Proのほうが持ちやすい。単純に丸みの度合いだけが理由ではなく、人間工学的に設計された形状だからこその持ちやすさだと思われる。図面上でも単調なカーブではなく、複雑なラインで構成されていることがわかる。ここまでの検証で「完全には解明できない」と悟ったため、形状比較はここで区切ることにした。
カメラ性能|進化は“間違い探しレベル”
8倍望遠は比較しないと進化はわからない
16 Proから買い替えた一番の理由がカメラ性能だった。超広角と広角は違いが感じられなかったため割愛し、違いの確認できた望遠だけを比較した。
まず8倍望遠で札幌のテレビ塔を撮影した。


そのままの写真では大きな違いはない。しかしトリミングして拡大すると、17 Proのほうが解像度が高くノイズも少ない。


モータースポーツを撮影する自分にとって、トリミング前提で使えるのは大きな進化である。ただし、その違いは“間違い探しレベル”にとどまる。8倍望遠だけを目的に16 Proから買い替えるのはおすすめできないというのが筆者の結論だ。
4倍望遠の画質は劇的に良く…なった?
次に4倍望遠を比較した。17 Proでは4倍望遠が48MP化しており、劇的に良くなっているはずと期待して撮影をした。


残念ながらパッと見では違いがわかりにくい。ただし細部を拡大すると望遠8倍の時と同様に17 Proのほうが解像度が高くノイズも少ない。とはいえ16 Proの画質も十分に良好である。トリミングして使うと差ははっきりするが、それ以外では進化を強く感じるほどではない。
その他の使用感
eSIM
irumoを使っていたが、ドコモの障害に巻き込まれることなくスムーズに移行できた。トラブルは一切なく、安心して使えた。筆者はeSIMに対しては好意的だ。
カラー(シルバー)

アルミボディになったため、チタンと比べると傷がつきやすいと予想した。そこで傷が目立ちにくいシルバーを選んだ。ケースを装着して使用しているが5日間使って今のところ傷や凹みは見られない。
デザイン

デザインについては、正直「カッコいい」とは思っていない。というよりもiPhone 11以降ずっとそう感じている。ただし今回の17 Proは手に馴染む感覚が不思議と強く、買い替えたことを後悔はしていない。それと、結局ケースで保護して使うので、デザインなんてほとんど隠れてしまう。スマートフォンにおける「カッコ良さ」は重要視すべきではない。
iPhone 18 Pro以降に期待すること
残念ながらiPhone 17 Proに大幅なカメラ性能の進化はなかった。この記事を読んで購入を控えようと考える人もいるかもしれない。そこで来年の18 Proにはどんな進化が期待できるのか、現状のAndroidを参考に予想して夢を膨らませて見よう。
1インチセンサー化
Xiaomi 15 Ultraには1インチセンサーが搭載されている。17 Proは1/1.28インチと言われているので、28%大きいことになる。センサーが大きくなると暗所撮影に強くなる一方、筐体サイズや重量が増す。Pro Maxには搭載の可能性があるが、Proには厳しいかもしれない。
200MP(2億画素)センサー
Galaxy S25 Ultraなどには200MP(2億画素)センサーが搭載されている。17 Proの48MPと比べると約4倍の画素数である。画質劣化の少ないトリミングが可能となり、筆者の用途にも合う進化である。筆者的には期待している性能アップだ。
可変式望遠レンズ
Xperia 1 VIIには可変式望遠レンズが搭載されている。画質劣化なくズームできるメリットは大きい。ただし可動部分があるため故障リスクは高まる。
可変絞り
Nubia Z70 Ultraには可変絞りが搭載されている。背景のボケを自在に調整できる。しかしスマホではソフト処理で代替可能なため、採用の可能性は低いだろう。
スマートフォンのカメラ性能は頭打ち状態
各社ともカメラの性能は成熟期に入り、大幅な進化は難しいと感じる。200MP(2億画素)はiPhoneにも搭載される可能性はあるものの、それ以外は望みが薄いと思われる。スマートフォンの写真カメラ性能は頭打ちしたのかもしれない。
筆者が欲しい機能
ここからは少しラフに、個人的に欲しい機能(性能)を挙げてみたい。
3カメラのセンサーサイズ統一

今の17 Proはメインが1/1.28インチ、超広角と望遠が1/2.55インチと言われている。このセンサーのサイズ差のせいで切り替えた時に画質や色味が大きく変わってしまう。後で編集で揃えるのが地味に大変なのだ。多少メインのセンサーを落としてでも、3つを統一してほしいというのが筆者の望みだ。おそらく少しずつ超広角と望遠センサーを大きくする可能性はあるが、揃うのは6年くらい先になりそうな気がする。
アウトカメラでの縦持ち横長撮影

今回のiPhone17シリーズではインカメラに縦持ち横長撮影機能が追加された。これと同じ機能をアウトカメラでも使いたい。Proシリーズは重いため、片手横持ちだとブレやすい。縦持ちのまま横長に撮れると撮影が非常に楽になる。この機能に関しては現状のカメラセンサーでも最低限の画質を残してクロップできるはずだ。iPhone 18といわず、iOS27での実装を切に願っている。
Appleがやりそうなこと|アクションカメラ化?
個人的に欲しいわけではないが、Appleがやりそうな進化を予想すると「超広角カメラのアクションカメラ化」だと思っている。
そのアクションカメラのユニークな機能の中で、GoPro HERO13やDJI OSMO Action 5 Proには「水平維持撮影」という機能が搭載されている。
「水平維持撮影」とは、どんな角度で持っても水平をキープしてくれる機能だ。手振れ防止機能の上位互換のような機能となっていて、撮影時のストレスが一気に減る。
Appleはこうした別市場に切り込むのが得意なので、次はアクションカメラ市場を狙うのではないかと予想している。というより最近のGoProの新商品がヤル気ないのでAppleにケツを叩いてもらいたいという思いも少しある。
当面は買い替え不要かな
こうしてまとめてみると、自分はしばらく買い替えることはないだろうなと思う。17 Proで欲しかった望遠性能に到達したからだ。さらに、カメラ競争も今後は鈍化していくだろうというのが筆者の予想だ。
アクションカメラ化すれば多少魅力的ではある。ただ、自分はすでにDJI OSMO Action 5 Proを持っているので、買い替えの理由にはならない。
まとめ|16 Proからはスルー、15 Pro以前ならおすすめ
iPhone 17 Proは「手に馴染む感覚」が過去最高の仕上がりだった。道具としての完成度は非常に高い。望遠カメラも着実に進化し、筆者が想定している撮影シーンでは大きな効果が期待できそうだ。
ただし、進化の幅は小さい。正直、16 Proからの買い替えはおすすめできない。
一方で15 Pro以前を使っている人にとっては、操作感やカメラの進化をしっかり体感できる。
結論として、16 Proユーザーは様子見、15 Pro以前のユーザーにはおすすめという立ち位置のiPhoneとなっている。
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