1月に予定していた糠平湖の氷上タイムトライアルが中止となってしまった。観光も兼ねて楽しもうと思っていただけに残念だったが、X(旧Twitter)で見かけた「稚内の大沼でも氷上タイムトライアルが行われている」という投稿が目に留まった。JAF公認ではないものの、これは面白そうだと思い調べたところ、詳細な情報も発見。せっかく予定を空けていたこともあり、少し遠いとは思いながらも観戦に行くことを決意した。
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稚内へのアクセス
稚内といえば「とにかく遠い場所」という印象があったが、ナビアプリで調べてみると、高速道路を使えば札幌からおよそ5時間で到着できると知り驚いた。特に旭川から留萌方面へ抜ける高速道路が整備されたことで、アクセス性が大きく向上したようである。
ただし、冬の北海道は天候が大敵。イベント前日まで天気予報とにらめっこしながら、吹雪にならないことを祈り、雪が少ない予報であることを確認してから出発を決めた。

出発は朝の3時半。暗闇の中を走り出すと、モータースポーツに携わる者としての高揚感が湧いてくる。道中の道路はほぼ除雪されており、安全に走行できた。除雪作業に従事する方々には感謝しかない。休憩を2回挟みながら、無事に稚内へと到着した。
日本最北端の地・宗谷岬

稚内に到着して最初に向かったのは宗谷岬。日本最北端の地として知られる観光名所である。私はこれが18年ぶり3度目の訪問だった。
駐車場が完全にスケートリンク状態で驚いたが、最北端のモニュメントだけ撮影し、すぐに退散。気温はマイナス1.6度と比較的穏やかだったものの、強風が吹き荒れていて体感温度はかなり低く感じられた。防寒対策と滑り止めの効いた靴は必須だと思われる。
氷上イベント会場・稚内市声間大沼特設コース

今回のイベント会場は、大沼という凍結した湖の上に設営された特設コースである。目印は大沼野鳥観察館。観戦者向けの駐車場は用意されておらず、会場近くの直線道路に駐車するスタイルであるため、周囲への配慮が求められる。

雪に覆われているため、湖の上に立っている感覚はほとんど無いが、GPSで確認するとパドックも観戦エリアも湖上であるとわかる。氷上に立つのは、学生時代に阿寒湖を訪れて以来の体験である。その事実だけで少し感動する。

競技の様子

10時過ぎに到着したため、ちょうどスイフトが多数出走しているクラスを観戦することができた。個人的にもっとも興味のあるカテゴリーである。
驚かされたのは、コースのスケール感。ジムカーナのような低速コースを想像していたが、実際は広大なハイスピードセクションが主体のレイアウトとなっていた。スタート後は高速区間が続き、ゴール直前には低速のテクニカルなセクションが設けられている構成である。
参加車両はスタッドレスタイヤとスパイクタイヤに分かれてクラスが設定されていた。特にスパイククラスは圧倒的なスピードで、見応えがあった。以前体験した雪上レンタルカートでスピンばかりしていた自分が恥ずかしくなるほど、参加者の技術は高かった。
ただし、観戦開始から約30分後、コーストラブルが発生し競技は一時中断。再開の目処が立たないというアナウンスがあったため、会場を離れ、早めのランチを取ることにした。
稚内のソウルフード・チャーメン

稚内の名物グルメを検索すると、海鮮系の高級料理が目立つ。しかし私のスタイルはB級グルメ一択である。調べてみると、地元民に愛される「チャーメン」という料理があることを知り、迷わず選択した。
見た目はあんかけ焼きそばだが、麺は蒸しではなく茹で麺を使用しているのが特徴である。厨房で茹で上がった麺を大将が豪快に中華鍋へ投入する様子は迫力満点だった。味の詳細は別記事にて紹介しているため、興味があればぜひそちらをご覧いただきたい。

会場に戻るとイベントが終わっていた

ランチを終えて会場に戻ると、無念にもイベントはすでに終了していた。詳細は不明だったが、コーストラブルにより2ヒート目はキャンセルになった模様である。自然環境を活かしたイベントには、こうした不測の事態もつきものだと思われる。
観戦時間は1時間にも満たなかったが、それでも来た価値は十分にあったと感じている。むしろ、次回は自分自身も参加したいという気持ちが強まった。
稚内駅と北防波堤ドーム

予定より早くイベントが終了したため、気持ちを切り替えて観光へ。まず向かったのはJR稚内駅。日本全国を結ぶ鉄道の最北端である。宗谷岬には何度も訪れたことがあるが、稚内駅は今回が初めてだった。
その足で訪れたのが、駅近くにある「北防波堤ドーム」。有名YouTuber・西園寺チャンネルで紹介されていたこともあり、ぜひ一度見ておきたかった場所である。。

デノーズの絶品スラッピージョー

続いて立ち寄ったのは、稚内駅近くの洋食レストラン「デノーズ」。Xで教えてもらった「スラッピージョー」というメニューを注文した。これはハンバーガーにミートソースとチーズをかけてオーブンで焼いた、アメリカンスタイルの料理である。
見た目のボリュームに驚いたが、ふわふわのバンズが軽く、意外とペロリと食べきれてしまった。こちらも味の詳細は別記事にて紹介している。

思い出のノシャップ岬

最後に向かったのはノシャップ岬。かつて学生時代、バイクでオロロンラインを北上し、ここを最北端と勘違いしてガッカリした思い出がある。正確には宗谷岬が最北端だが、この場所は個人的に印象深い。
今回も天候に恵まれ、静かな海と夕暮れの空に癒やされる時間を過ごすことができた。
帰路・再び5時間の道のり
稚内での観光を終え、札幌へ向けて出発したのは15時過ぎ。復路も約5時間のドライブとなったが、頻繁に休憩と仮眠を取りながら安全運転を心がけ、20時には無事に札幌へ到着した。

11時間・700km超の道のりを経て、意外にも疲れを感じなかったのが不思議である。最後はお気に入りのラーメン店で締めるのが私の定番だ。

まとめ
今回の稚内ドライブは、モータースポーツと観光、グルメを一日で堪能できる充実した内容だった。氷上タイムトライアルの観戦時間は短かったとはいえ、その迫力と熱量は想像以上だった。
また、稚内の観光地やソウルフードの魅力にも触れることができたため、距離の遠さを感じさせない満足感があった。稚内はもっと気軽に訪れて良い場所だと感じた次第である。
次回は観戦者ではなく、ぜひドライバーとしてこの氷上イベントに挑戦してみたいと思う。
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