これまで「オートテスト」や「ミニサーキット走行会」、そして「サーキットライセンス取得」について解説してきた。モータースポーツ初心者が次に目指すのは、いよいよ「レース参戦」だろう。
このとき出てくるのが、「JAF公認レース」と「非公認レース」という2つの選択肢だ。それぞれの違いや特徴を理解し、自分に合ったステップアップを目指してほしい。本記事では、初心者・中級者向けに両者の違い、向き不向き、参加費用、ライセンス取得方法を詳しく紹介する。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
JAF公認レースと非公認レースの違いとは?
【JAF公認レース】特徴と必要条件
JAF公認レースは日本自動車連盟(JAF)が認定した公式戦で、参加にはライセンスや厳格な安全装備が必要である。
主なポイント
- ライセンス必須(Bライセンス:ジムカーナ・タイムトライアル/Aライセンス:レース形式)
- 厳格な車両規定(ナンバー無しレーシングカー中心、改造範囲制限あり)
- 高水準の安全装備(FIA規格ヘルメット・耐火スーツ・HANSデバイス必須)
- 年間コストが高い(最低100万円以上)
- 公式リザルトが残る(全国規模の記録)
公式戦ならではの緊張感と、ステータスが大きな魅力である。
【非公認レース】特徴と魅力
非公認レースはサーキットやクラブが独自に開催するイベント。ライセンス不要で参加しやすい。
主なポイント
- ライセンス不要(普通免許のみでOKな場合も)
- 車両の自由度が高い(ナンバー付き愛車で出場可能)
- 参加費用が安い(1~3万円程度のエントリー費)
- 初心者歓迎の雰囲気(仲間づくりにも最適)
私も初参戦は非公認レースで、NAロードスターでの参加は今も忘れられない思い出だ。
【比較表】公認・非公認レースの必要装備
装備 | 非公認レース | 公認レース |
---|---|---|
ヘルメット | 公道用OK | FIA規格モデル必須 |
レーシングスーツ | 任意または公道用 | FIA規格モデル必須 |
ロールケージ | 推奨(不要な場合もあり) | JAF規定必須 |
シートベルト | 4点式推奨(3点式OK) | 5点式以上必須 |
HANSデバイス | 不要 | 必須 |
公認・非公認レースの向き不向きは?
公認レースが向いている人
- ドライビング技術を極めたい人
- 全国規模の公式リザルトを目指す人
- ワンメイクレースの緊張感を楽しめる人
公認レースが向かない人
- 愛車でそのまま走りたい人
- 車種への愛着が強い人
- コストを抑えたい人
非公認レースが向いている人
- ナンバー付き車両で気軽に参戦したい人
- 初心者仲間と和気あいあい楽しみたい人
- 低予算でレース体験を積みたい人
非公認レースから公認レースへのステップアップ方法
ステップ1:非公認イベントで経験を積む
耐久レースやタイムアタックで2〜3年の経験を積み、基本技術を習得。
ステップ2:JAFライセンスを取得
- Bライセンス:1日講習(約1万円)で取得可能
- Aライセンス:Bライセンス保持者対象、取得費3〜5万円
ステップ3:公認レース対応の車両・装備準備
改造・装備購入で100万円以上必要な場合も。
【費用目安】公認レース参戦にかかる金額
項目 | 参考金額 |
JAFライセンス取得費 | 3〜5万円 |
車両改造・装備購入費 | 100〜300万円以上 |
1レース参加費 | 10〜30万円 |
趣味としては高額だが、公式戦ならではの達成感は唯一無二である。
JAF公認レースに挑戦する価値とは?
公式戦のリザルトは生涯の記録になり、モータースポーツ仲間からも一目置かれる存在になるだろう。
初心者のよくある質問Q&A
Q. JAF公認レースは初心者でも参加可能?
A. 可能だが、非公認レースで基礎を固めてからがおすすめ。
Q. 非公認レースは公道車両でもOK?
A. OKな場合が多い。必ず主催者の募集要項を確認しよう。
Q. ライセンス取得はいつがベスト?
A. 非公認レース経験後、公式戦への挑戦を決めた段階が理想。
まとめ:あなたはどちらを選ぶ?
JAF公認レースと非公認レース、それぞれの魅力と課題を理解した上で、「自分に合ったモータースポーツの楽しみ方」を見つけてほしい。
次回はJAF公認レースの入門カテゴリーと使用車両を詳しく解説する予定だ。「どんなクルマで公式戦に挑めるのか?」に答えていく。
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