サーキットレースを「ナンバー付きの愛車」で気軽に始めたい――そんな初心者にぴったりなのが Nゼロ(N0) というカテゴリーである。
改造範囲が最小限に抑えられ、市販車に安全装備を追加するだけで参戦できるため、学生から社会人まで幅広い層が挑戦しやすい。レースの世界への最初の一歩として、多くのアマチュアドライバーに選ばれているカテゴリーとなる。
目次(クリックでジャンプ)
Nゼロとは?
「Nゼロ(N0)」とは、ナンバー付き市販車で参戦できるサーキットレースの入門カテゴリーである。
正式名称は「ナンバー付き車両N0クラス」とされることが多く、ナンバープレートを保持したままレースに参加できる点が最大の特徴だ。
公道走行が可能な状態をベースとするため、余計な改造費がかからず、モータースポーツ初心者でも挑戦しやすいカテゴリーとして人気が高い。
Nゼロの特徴
ナンバー付き市販車で参戦可能
一般的なレーシングカーではナンバーを外して大幅な改造を施すが、Nゼロでは ナンバーを付けたまま走行できる。
車検に適合した状態が前提であり、普段使いしているクルマをそのままサーキットに持ち込むことも可能である。
- ▶関連記事:「ナンバー付きレースとは?」
改造範囲が最小限
エンジン・駆動系の大幅なチューニングは制限され、主に以下の安全装備が中心となる。
- ロールケージ
- 4点以上のレーシングハーネス
- レーシングシート
- 消火器
動力性能の差が出にくいため、ドライバーの腕が勝敗に直結するカテゴリーといえる。
参加コストを抑えられる
ナンバー付き車両なので、自走でサーキットへ向かえる。
トランポ(積載車)や車両運搬費が不要となり、結果的に参戦費用を大きく削減できる。
維持費も比較的安く、社会人ドライバーや学生にも取り組みやすい。
他カテゴリーとの違い
NR-Aとの違い
NR-AもNゼロという大きなカテゴリーの中のひとつである。NR-Aがロードスターなど特定車種向けのナンバー付きワンメイクレースであるのに対し、Nゼロは複数車種で参戦可能なカテゴリーを示す。より幅広い車両選択ができる点が特徴となる。
- ▶関連記事:「NR-Aとは?」
N1・N2との違い
N1やN2は量産車レースカテゴリーの中では改造範囲が広く、ナンバー無しのレースカテゴリーのため、レース専用に仕上げられた車両が中心となる。一方、Nゼロは車検が通る範囲内の改造制限が設けられており、入門者向けとして位置づけられている。
- ▶関連記事:「N1とは?」
Nゼロに参加するには?
- 国内Aライセンスの取得
JAF公認レースに参戦するには、国内Aライセンスが必要となる。講習会を受講すれば取得可能である。 - 車両の準備
ナンバー付きの市販車をベースに、安全装備(ロールケージ・消火器・レーシングシート・ハーネスなど)を取り付ける。 - 参戦するレースを選ぶ
各地のサーキットで開催されるクラブマンレースや地方選手権にエントリー可能。参加費用や走行距離はイベントによって異なるが、アマチュアが挑戦しやすい価格帯である。
- ▶関連記事:「国内レース一覧」
- ▶関連記事:「国内Aライセンスとは?」
まとめ
Nゼロとは、ナンバー付き市販車で気軽に挑戦できるサーキットレースの入門カテゴリーである。
改造範囲が小さく車両コストを抑えられるうえ、普段使いの愛車で参加できる手軽さが魅力だ。
ドライバーの技術が勝敗に直結しやすいことから学びも多く、モータースポーツを始めたい人にとって最初のステップとして最適なカテゴリーとなっている。





コメント