ナンバー付きレースとは?
ナンバー付きレースとは、自動車のナンバープレートを保持したまま参加できるJAF公認のモータースポーツ競技を指す。公道走行が可能な車両で出場できるため、モータースポーツ初心者にとって参加のハードルが比較的低いカテゴリーとなっている。ただし、これらのレースに出場するには国内Aライセンスが必要である。
ナンバー付きレースの特徴
公道走行可能な車両で参戦
ナンバー付きレースは、日常的に公道を走る車両に最低限の競技用装備を追加することで参加が可能となる。このため、車両をトレーラーで運搬する必要がなく、自走で会場入りできる点が大きな特徴である。
安全装備の義務化
公道走行可能な車両とはいえ、競技中は安全確保のためにJAF公認のヘルメットやレーシングスーツ、グローブなどの装備が求められる。車両にもロールケージや牽引フックの装着が推奨される場合が多い。
ナンバー付きレースのメリット・デメリット
メリット
- 自走で参加可能
ナンバー付き車両のため、サーキットまでの移動は自分で運転して行ける。トレーラーや積載車を用意する必要がないため、初期投資を抑えられる。 - 車検適合車両なので安心
公道走行が可能な車両は車検を通っているため、過度な改造がなく運転しやすい。 - 気軽にステップアップできる
入門として参加しやすく、モータースポーツの雰囲気を掴みやすい。
デメリット
- 改造の自由度が低い
ナンバー付き車両は公道走行を前提としているため、改造範囲に制限がある。エンジンや足回りの改造に対しては制限がある。 - 激しいレースには不向き
競技によっては車両への負担を抑える必要があり、ナンバー無し専用車両と比べると耐久性や走行性能が劣る場合がある。
代表的なナンバー付きレース
クラブマンレース(ナンバー付き車両クラス)
地方サーキットで開催されるクラブマンレースには、ナンバー付き車両で参戦できるカテゴリーが存在する。富士スピードウェイの「富士チャンピオンレース」や鈴鹿サーキットの「鈴鹿クラブマンレース」において設定されていることが多い。
ワンメイクレース(ナンバー付き対応)
特定メーカーの市販車を用いたワンメイクレースでは、ナンバー付き仕様での参加が認められている場合がある。例えば、マツダロードスターを使用した「パーティレース」は、公道仕様の車両で参加可能である。
Joy耐(ジョイたい)
モビリティリゾートもてぎで開催される「Enjoy耐久レース(通称:Joy耐)」は、ナンバー付き市販車限定のクラスが新設された。公道仕様の市販車で参加でき、エントリー条件も比較的緩やかであるため、初心者の登竜門的なイベントとなっている。
参加に必要な準備
国内Aライセンスの取得
ナンバー付きレースへの参加には、まず国内Bライセンスを取得し、さらにAライセンス講習を受講してステップアップする必要がある。イベントによってはライセンス不要で参加可能な場合もある。
車両準備
車両には最低限の競技装備(消火器、牽引フック、ゼッケン等)が必要となる。競技によってはタイヤやサスペンションの変更も検討したい。イベントごとのレギュレーションに従ったクルマ作りが必要。
個人装備
FIA/JAF公認のヘルメット、レーシングスーツ、グローブ、シューズなどが必須である。競技内容によってはHANSデバイスの着用も求められる。
レース形式ごとの初心者向けポイント
耐久レース
- 特徴:複数人でドライバー交代しながら長時間走行。
- 初心者向けポイント:体力よりもペース管理やピット戦略が重要。チームでの参加なので協調性が問われる。
スプリントレース
- 特徴:10〜20分程度の短距離勝負で1人完結。
- 初心者向けポイント:スタートダッシュと集中力が重要。個人参加でもOK。
ワンメイクレース
- 特徴:同一車種・ほぼ同仕様の車両で競う。
- 初心者向けポイント:車両差がほとんどないため、ドライビングスキルの差が勝敗を分ける。練習で腕を磨くことがカギ。
ナンバー付きレースの魅力
手軽にモータースポーツを体験できる
ナンバー付き車両で参加できるため、トレーラーやピットクルーが不要で、少人数でも参加可能。
レース形式の多様性
ナンバー付きレースには、1時間以上の長時間を走る耐久レース、短時間で勝負が決まるスプリントレース、同一車種で競うワンメイクレースなどが存在する。いずれも戦略やスキルの向上に役立ち、モータースポーツの奥深さを体験できる。
ステップアップの足掛かり
ナンバー付きレースで経験を積むことで、将来的に本格的な競技車両を使用するレースにステップアップできる。
まとめ
ナンバー付きレースは、公道走行可能な車両で気軽に参加できる一方で、必要な安全装備や車両準備は怠らず行う必要がある。これからモータースポーツを本格的に始めたい初心者にとって、最適な第一歩となるだろう。
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