「ドリフト競技」モタスポ用語ナビ

ドリフト競技の定義

JAF公認のモータースポーツ競技において、ドリフトは「車両の進行方向に対して意図的に横滑走状態を発生させ、その滑走状態を保ちながら規定のコースを走行する競技」と定義されている。この特異な走行スタイルは、スピードや正確性だけではなく、見た目の美しさや制御技術の高さが求められるものである。

ドリフト競技は国内Bライセンスを持つドライバーが参加可能であり、JAF公認競技の中でも比較的新しいカテゴリーに属する。2017年にはFIA公認イベント「インターコンチネンタル・ドリフティング・カップ」がスタートし、国内だけでなく国際舞台で活躍するためのステップアップの道も整備されている。

ドリフト競技の歴史

JAF公認ドリフト競技のルーツは、雑誌やビデオの企画として行われていた「ドリフトコンテスト」にある。ドリフトというテクニック自体はモータースポーツの初期から存在していたが、これを主役に据えた競技が登場したのは比較的最近のことである。

2001年には「D1グランプリ」という大規模なドリフト大会が始まり、単走予選と追走トーナメントという独自の形式が確立された。これらの形式は現在のドリフト競技の基盤となり、進化を続けている。車両規則や審査方法が整備される中で、ドリフト競技はより公正で魅力的なものとなってきた。

競技形式と主要大会

ドリフト競技は、以下の形式で実施される。

単走

単走では1台ずつ走行し、技術力や滑走角度、コース内でのコントロールを審査される。この予選を通過したドライバーが追走トーナメントに進出する。

追走

追走は2台の車両がペアを組み、接近した状態でドリフトを繰り広げる形式である。リードとフォローの役割を交代しながら進行し、その接近度や安定性、攻撃性が評価される。追走はトーナメント方式で行われ、最終的に勝者が決定する。

主要大会としては、国内最高峰の「D1グランプリ」と、その登竜門である「D1ライツ」が挙げられる。これらはFIAインターコンチネンタル・ドリフティング・カップへの道を拓くものであり、世界規模の競技会へのステップアップが可能となっている。

ドリフトの楽しみ方

全国各地のミニサーキットでは、アマチュア向けの「ドリフト走行会」が開催されている。これらは技術向上や車両セッティングの確認を目的としたもので、時には余興として小規模なドリフトコンテストが行われることもある。

観戦者としてドリフトを楽しむ場合、大規模な大会が特におすすめである。D1グランプリの会場では、物販ブースや飲食コーナーが充実しており、初心者でも気軽に楽しめるイベントとなっている。また、審査基準やポイント制度を理解することで、競技そのものの奥深さをより実感できるだろう。

ドリフトの未来

ドリフト競技は、その視覚的な迫力と高度な技術を兼ね備えた特性から、国内外で人気を集めている。FIAによる国際大会の開催や新しいルールの導入など、さらなる進化が期待される。今後もドリフトの魅力は多くのファンやドライバーを引きつけ続けるだろう。

JAF公認のドリフト競技は、エンターテインメント性とスポーツ性を兼ね備えたモータースポーツの新しい潮流として、ますます注目されている。この競技を通じて、さらなる技術革新と国際的な交流が進むことを期待したい。

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