第1種アベレージラリーは、公道を使用して行われるラリー競技の中でも、初心者が最も挑戦しやすいカテゴリーである。速度を競うのではなく、指定された「平均速度」をいかに正確に守って走行できるかを競う形式で、ドライバーとナビゲーターのコンビネーションが勝敗を分ける。
一般車両で参加でき、特別な改造や高額な装備も不要なため、「まずはラリーの雰囲気を体験してみたい」という入門者にとって理想的な最初のステップとなっている。
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第1種アベレージラリーとは?
第1種アベレージラリーとは、指定区間を“設定された平均速度”で正確に走行することを目的としたラリー競技である。速さを競うのではなく、いかに正確なペースを維持できるかが評価ポイントとなるため、ドライバーとナビゲーターの連携が極めて重要である。
「第1種」とはJAF(日本自動車連盟)が定める競技区分のひとつで、JAF公認競技として開催されることが多い。ラリーの基本的な技術やルールを実践的に学べるため、モータースポーツ初心者にとって最初のステップとして適したカテゴリーと言える。
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一般車両で気軽に参加可能
第1種アベレージラリーの魅力は、特別な競技車両を用意しなくても 普段乗っている一般車両(ナンバー付き)で参加できる点にある。改造範囲も緩く、街乗り車をそのまま使えるケースがほとんどで、初期費用を抑えてラリーに挑戦できる。
そのため、ラリーに興味があっても「車両準備」がハードルに感じていた人でも参加しやすい。特に初参加の人にとっては、自分の車で挑戦できる安心感が大きなメリットとなる。
必要な装備とライセンス
参加にあたり、最低限必要となる主な装備は次の通りである。
- ストップウォッチや時計
- トリップメーター(距離計)
- ルートブック・地図
- 筆記用具、クリップボード
また、JAF公認の形式で開催される場合は、国内Bライセンスの取得が求められる場合がある。ライセンスは講習会を受講することで取得可能で、多くの初心者が最初に手にするライセンスとなっている。
一方で、第1種アベレージラリーの多くはクローズド格式で開催されており、この場合はライセンスを持っていなくても参加できる。完全未経験者でも挑戦しやすい理由のひとつである。
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学べるスキルと魅力
第1種アベレージラリーでは、ラリーに必要なスキルを安全に・段階的に身につけられる。。
ペース配分の重要性
設定された平均速度を維持するには、正確な時間感覚とスムーズな速度調整が欠かせない。これにより、集中力や時間管理能力が自然と鍛えられる。
ナビゲーターとの連携
ラリー競技においてナビゲーターの役割は大きく、ルート指示・時間管理・チェックポイント通過のタイミングなどを担当する。二人の連携が取れてこそ、正確な走行が可能となる。
地図の読み取り能力
ルートブックや地図を読みながら進むことで、判断力や状況把握能力が向上する。これらは日常の安全運転にも直結するスキルである。
初心者にこそ勧めたい理由
第1種アベレージラリーはスピードではなく正確性を競うため、初心者でも落ち着いて挑戦できる。また、一般車両で参加できるためコスト負担が少ない点も大きな魅力である。
実際のラリーと同様の進行形式で行われるため、ナビゲーションや時間管理など「ラリーの基礎」をしっかり体験できる。将来的にスピードラリーへステップアップしたい人にとっても、最適な練習の場となる。
参加方法と開催情報
第1種アベレージラリーは、各地域のJAF登録クラブが定期的に開催している。参加を検討する際は、次のような情報源をチェックするとよい。
- JAF公式サイトの競技会情報
- 各JMRC(地方協議会)の公式サイト
- 主催クラブの公式ページ
エントリーは事前申し込み制が一般的で、開催日の1〜2か月前から受付が始まる。開催地は郊外・農道・山間部など、自然豊かなルートが設定されることが多い。
第1種アベレージラリーのシリーズ戦
まとめ
第1種アベレージラリーは、ラリー入門者にとって最適な競技である。
一般車両での参加が可能で、速度よりも正確性とチームワークを競うため、初めてのモータースポーツとして選びやすい。
参加を通じて得られるスキルは、ラリー競技だけでなく日常運転においても大いに役立つ。これからラリーを始めたいと考えている人にとって、アベレージラリーは理想的なスタートラインとなるだろう。





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