レースとは?
広義において「レース」とは、自動車でスピードや技術を競い合う競技全般を指す言葉である。ラリーやジムカーナ、ダートトライアルなども、一般的には「自動車レース」と呼ばれることが多い。
しかし、日本におけるモータースポーツの統括団体である一般社団法人日本自動車連盟(JAF)では、競技会を主に「レース」と「スピード競技」に分類しており、JAF公認競技会における「レース」はより限定的な意味を持つ。
JAFの定義における「レース」とは、サーキットや特設コースなどの閉鎖された場所において、複数台の車両が同時にスタートし、順位を競い合う競技形式を指す。順位は主にゴールまでの所要時間や、一定時間内の走行距離により決定される。
この形式では、車両同士が直接的にバトルを繰り広げる場面も多く、スピード感と臨場感にあふれた展開がレース観戦の大きな魅力となっている。
レースにはさまざまな種類が存在し、使用する車両のタイプや競技形式に応じていくつかのカテゴリーに分けられている。代表的な形式について、以下で紹介する。
- スプリントレース
- 耐久レース
- フォーミュラレース
- ツーリングカーレース
- ナンバー付きレース
スプリントレース
スプリントレースは、一定の距離を最も早く走り切ったものが勝者となるレース形式である。20分から1時間ほどの短時間で完結するものが多い。戦略よりもスピードと瞬時の判断力が重視されるため、序盤から終盤まで目まぐるしい展開となる。
主にドライバーの技術と車両性能が勝敗を左右する要素となる。スーパーフォーミュラや多くのツーリングカーレース、ワンメイクレース、ナンバー付きレースがスプリント形式で行われている。
耐久レース
耐久レースは、一定の時間で最も長い距離を走ったものが勝者となるレース形式である。競技時間は数時間から24時間におよび、ドライバーの交代や燃料補給、タイヤ交換などのピット作業が不可欠となる。
単に速さを競うだけでなく、マシンの信頼性、チームの戦略、ドライバーの集中力と体力など、さまざまな要素が勝敗に影響を与える。
代表的なレースには、ル・マン24時間レースや、スーパー耐久シリーズ(S耐)などがある。長丁場ゆえにチームワークが重視され、見どころの多いカテゴリーである。
フォーミュラレース
フォーミュラレースは、タイヤがむき出しの「オープンホイールカー」と呼ばれる車両を使用する競技である。最も有名なのはF1(フォーミュラ・ワン)であり、世界中で高い人気を誇っている。
車両は一定の技術規則に基づいて開発されている。軽量かつ高出力、そして空気の流れ(エアロダイナミクス)を利用した車体設計が特徴である。
F1(フォーミュラ・ワン)は、巨額の開発費や高度なテクノロジーが投入されるため、モータースポーツの頂点とされている。観戦者にとっても、最先端の技術と最高レベルの走りを体感できる機会となる。
一方で入門向けのフォーミュラレースも開催されており、F1を目指す若者たちから、ベテランのクラブマンレーサーがしのぎを削っている。
ツーリングカーレース
ツーリングカーレースは、市販車をベースに改造された車両を使用するレースである。一般道路でも見かけるような車種が高速でバトルを繰り広げる姿に、観戦者は強い親近感を抱くことができる。
車両同士の性能差が比較的小さく、接戦が多くなるのが特徴である。また、数時間に及ぶ耐久レース形式が多く、ドライバーの交代やピット作業の戦略が勝敗を分ける要素となる。
代表的なレースとしては、SUPER GTのGT300クラスや、WTCR(世界ツーリングカー選手権)が挙げられる。
ナンバー付きレース
ナンバー付きレースとは、公道走行が可能な車両(ナンバープレート付き)で参加できるレース形式である。身近な車がそのまま競技車両として使用されるため、初心者にも人気が高い。
ワンメイクレース(同一車種で行うレース)などが代表的で、メーカー主催のシリーズ戦としても開催されている。手軽に参加できる反面、競技としての熱量やレベルは高く、初心者から上級者まで幅広く楽しめる形式である。
レースの魅力
レースの魅力は、その多様性と臨場感にある。フォーミュラレースのようなスピードと技術の極限を競うカテゴリーから、ツーリングカーやナンバー付き車両による親近感のあるレースまで、さまざまな形式が存在している。
初心者にとっても、まずは観戦を通じてレースの迫力や雰囲気を体感することが、モータースポーツへの第一歩となる。現地観戦では、エンジン音や振動、スピード感を肌で感じることができるため、他のスポーツでは味わえない興奮を味わえるだろう。
また、近年はテレビ中継の他にインターネットでの配信も充実しており、気軽にさまざまなレースを観戦できる環境が整っている。自分に合ったレースを見つけることが、モータースポーツをより楽しむきっかけとなるだろう。
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