北海道も6月に入り、ようやく暖かさを感じられる季節となってきた。5月は雨や曇りが続き、愛車の軽バン(マツダ・スクラム)はずっと放置状態だった。だが、レジャーシーズン本番となる7月・8月を前に、そろそろ整備しておこうと重い腰を上げて点検を開始。すると、思わぬ「深手」を負っていたことが発覚した。
今回は、その詳細を備忘録的に記しておこうと思う。
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結論:フロントサイドメンバーが変形していた

いきなり結論から述べると、フロントサイドメンバーのうち、フロントクロスメンバーを吊っている部分が後方(かつ上方)に変形していた。
百聞は一見にしかず、まずは写真を見ていただきたい。




赤線の所が”くの字”に変形しているのがわかると思う。
この変形により、真下にあるバンパーの固定ポイントが後方にずれてしまい、それに連動してホイールハウス内のインナーカバーもズレていた。結果としてタイヤと干渉。変形量はおおよそ25mm。


どう見ても人力で引っ張って戻せるような薄さの鉄板ではなかった。
変形の原因は「大雪の日のスタック」
思い当たる節はある。
それは昨年12月、札幌で迎えた今シーズン最初の大雪の日の出来事。スマホのナビを頼りに郊外を走っていた際、農道のようなルートへ誘導され、引き返せずにそのまま進んだところでスタックした。
雪が深く、車体前部がズボッと突き刺さるような形で止まった。かなりの衝撃だったが、その場ではバンパーが少し浮いただけで、なんとか自力で脱出できたため、大きなダメージはなかったと思い込んでいた。

異変に気づいたのは4月頃
春になり、雪が解けて運転機会が増えた4月頃。駐車場などで左にハンドルを目一杯切ったときに「ゴリッ」と異音がすることに気がついた。
点検してみると、左フロントのホイールハウス内でインナーカバーがタイヤに接触していた。直進状態では問題はなかったため、しばらく様子を見ていたが、原因は前述の変形によるものであった。

応急処置として固定点をひとつ外して対応
試しにフロントクロスメンバーを手で引っ張ってみたところ、2mm程度は動いた。さらに、変形部の直下にあるバンパーの固定点を一つ外したところ、タイヤとのクリアランスが改善された。
とりあえずはこの状態で様子を見ることにする。必要があれば、バンパーとクロスメンバーの間にスペーサーを挟み、物理的に前方へ押し出す方法も検討する必要があるだろう。

オートテスト出場は当面見送り
幸いなのは、干渉が発生するのが限定的な場面である点。左に目一杯ハンドルを切るのは、駐車場などでの小回り時だけなので、普段の運転では意識すれば回避できる。
しかし、この状態ではオートテストへの出場は見送らざるを得ない。競技では鋭角なターンが多く、どうしても切り込む必要があるため、高確率で干渉が発生する。
完全に修復するまで出場は我慢するしかない。場合によっては、ノートe-Powerでの出場も視野に入れるが、それでは何かズルをしている気もしてしまう。
まとめ:大雪×油断=高額な代償
今回の一件で得た教訓は明確だ。「大雪の日に、知らない道をナビだけを頼りに進んではいけない」。
たとえ相手が雪であっても、新雪の深雪は鉄板すら変形させるほどのパワーを持つ。厚さ1.6mmの鉄板も例外ではなかった。
私は札幌出身だが、免許を取得して以降はずっと関東圏に住んでいたため、雪に対する警戒心が緩んでいたのだろう。
バンパーを外すまでは「ちょっと引っ張れば元に戻せるだろう」とタカをくくっていたが、まさかその上の構造ごと逝っているとは思いもしなかった。
これからの季節、整備やレジャーの準備で愛車に手をかける人も多いだろう。同じような思いをしないよう、ぜひ早めの点検をおすすめしたい。
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