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GPSデータロガーの設置位置はどこが正解?ダッシュボードが無難な理由を解説

シリーズ
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GPSデータロガーを導入したあと、多くの人が次に悩むのが「どこに設置すればよいのか」という問題だ。
本体の性能や価格には気を使って選んだものの、設置位置については「とりあえず置けそうな場所」に決めてしまっているケースも少なくない。

一方で、設置位置はデータロガーの使い勝手や、取得できるデータの信頼性に大きく関わる要素である。
同じ車両、同じドライバー、同じサーキットであっても、設置位置が変われば数値の傾向が変わることも珍しくない。

ネット上では、

  • 重心位置が理想
  • ルーフ設置が最も正確
  • ダッシュボードで十分

といった意見が混在しており、初心者ほど判断に迷いやすい。
どれも間違いではないが、前提条件や用途が異なるため、そのまま鵜呑みにすると失敗しやすい。

本記事では、
理論上の正解と、実用上の正解は必ずしも一致しないという前提に立ち、
GPSデータロガーの設置位置について整理していく。
これから導入する人、設置に迷っている人が「納得して決められる」ことを目的とした内容である。

なお、GPSデータロガーを導入するかどうか自体で迷っている場合は、「本当に必要なのか?」という視点から整理した別記事もある。導入判断の段階であれば、先にそちらを読んでおくのもひとつの方法だ。
▶「データロガーは本当に必要なのか?

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結論|GPSデータロガーは「毎回同じダッシュボード位置」が最適解

AIM公式より引用

最初に結論を示すと、GPSデータロガーの設置位置として最も無難で失敗しにくいのは、
ダッシュボード上に固定し、毎回同じ位置・同じ向きで使うことである。

理論的な理想を突き詰めれば、もっと良い設置位置は存在する。
しかし、GPS受信の安定性、安全性、取り付けやすさ、再現性といった要素を総合的に考えると、
ダッシュボード設置は現実的な最適解となる。

GPSデータロガーは、1回の走行で絶対的な正解を出すための機器ではない。
走行を重ねる中で「比較」「傾向」を読み取るための道具である。
その意味では、設置位置に求められる最重要要素は精度よりも再現性だ。

なお、GPSデータロガーがどのような仕組みで速度やG、ラップタイムを算出しているのかについては、別記事で詳しく解説している。設置位置の考え方をより深く理解したい場合は、あわせて確認してほしい。
▶「GPSデータロガーの仕組み|タイム・速度・Gが分かる理由

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なぜGPSデータロガーの設置位置が重要なのか

GPSデータロガー(GPSラップタイマー)は、GPSによって取得した位置情報と時間情報を基準に、走行データを記録する機器である。
機種によっては、加速度センサー(IMU)や車両信号を併用している場合もあるが、いずれにしてもログの基準となるのは「どこを、いつ通過したか」という位置と時間の情報だ。

そのため、設置位置が変わるということは、計測の基準点そのものが変わることを意味する。
この点が、GPSデータロガーにおいて設置位置が重要視される理由である。

設置位置の違いがデータに与える影響

設置位置による影響は、主に次の3つに分けられる。

  • 前後方向の位置差
  • 左右方向の位置差
  • 上下方向の位置差

この中で、特に影響が出やすいのが左右方向や前後方向のズレである。
コーナリング中、車両は重心付近を中心にヨー回転(回頭運動)を行うため、回転中心から離れた位置ほど、横Gやヨーの数値が強調されやすくなる。

そのため、前後オーバーハングや左右端に近い位置に設置されたロガーでは、同じ旋回でも数値にブレが生じやすい傾向がある。

初心者が気にすべき「誤差」の考え方

ここで重要なのは、
GPSデータロガーにおける誤差は「ゼロにするもの」ではないという点である。

初心者の段階で重視すべきなのは、
絶対値の正確さよりも、同条件での比較ができるかどうかだ。
設置位置が安定していれば、多少の誤差があっても傾向は読み取れる。

逆に、走行ごとに設置位置が変わると、
誤差の方向すら一定せず、データの意味が薄れてしまう。

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理論上の理想|車両の重心付近に設置する理由

GPSデータロガーの設置位置について語る際、必ずと言っていいほど出てくるのが「重心付近が理想」という考え方である。
これは机上の理論としては、非常に正しい。

なぜ重心位置が理想とされるのか

車両の重心付近は、加速・減速・旋回といったあらゆる運動の影響が平均化される位置である。
この位置にセンサーを置くことで、前後・左右の加速度成分が過度に強調されにくくなる。

そのため、理論上は最も素直な数値が得られる。
レーシングカーや計測専用車両では、可能な限り重心付近にセンサーを配置する設計が採られることも多い。

現実問題|重心位置は固定されていない

しかし、ここで現実的な問題が浮かび上がる。
市販車において、重心位置は固定された一点ではない。

  • 燃料の残量
  • ドライバーの体重
  • 同乗者の有無
  • 荷物(やバラスト)の積載量

これらによって、重心位置は常に前後・上下に変化している。
正確な重心位置を把握すること自体が、一般ユーザーには不可能に近い。

さらに、重心付近とされる車両中央部は、GPS電波の受信という観点では決して良好とは言えない。シート下や車体中央部は遮蔽物が多く、設置や配線の自由度も低い。

つまり、
理論的に正しくても、実用性が極端に低い
これが重心設置の最大の欠点である。

妥協点としての考え方|ホイールベース間に収めるという発想

理論上の理想が重心付近である一方、現実的な妥協点としてよく語られるのがホイールベース間に設置するという考え方である。

これは、前後オーバーハングによる影響を避けつつ、重心付近に近づけようとする発想だ。

前後オーバーハングを避けるべき理由

前後オーバーハング部分にGPSデータロガーを設置すると、加速や減速時の振動、取付剛性の違い、車両姿勢の変化(ピッチ)などの影響を受けやすくなる。

その結果、縦方向のGや速度変化のログにブレが生じやすく、走行ごとの比較が難しくなるケースがある。
これは機器の不具合ではなく、設置条件によって生じる誤差要因のひとつだ。

比較を前提にデータを活用するのであれば、前後端への設置は避け、設置条件を安定させることが重要となる。

ホイールベース間に設置できれば十分な理由

ホイールベース間であれば、前後方向の加速度影響をある程度平均化できる。
そのため、数値の傾向が安定しやすく、走行ごとの比較がしやすくなる。

初心者にとっては、このレベルの妥協で十分実用的だ。
無理に理想を追わず、「変な場所に付けない」ことを優先すべきである。

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GPS受信を最優先するとどうなるか

AIM公式より引用

設置位置を考えるうえで、もう一つ重要な観点がGPS電波の受信環境である。
GPSは人工衛星からの微弱な電波を受信しているため、遮蔽物が少ないほど受信状態は安定する。

理論を突き詰めるとルーフ設置になる理由

GPS受信環境という観点だけで見れば、空が広く見え、遮蔽物の少ない位置ほど測位は安定しやすい。
一般論としては、車外やルーフ上のような見通しの良い位置が有利とされる。

ルーフは周囲に遮るものが少なく、衛星を捕捉しやすいため、測位の安定性という点では理想的な場所だ。
そのため、競技車両やロガー専用設計の車両では、アンテナをルーフに設置するケースも珍しくない。

アンテナ別体モデルの注意点

ただし、アンテナをルーフに設置する場合には注意点も多い。

  • 走行中に脱落するリスク
  • 競技規則で禁止されている場合がある
  • 空力付加物と判断される可能性

特に競技会では、
外部に突起物を設けること自体がNGとなるケースもある。
車外にルーフにアンテナを設置する際は、出場する競技会のレギュレーションや、走行するサーキットのルールをよく確認する必要がある。

アンテナ別体モデル

ディスプレイ一体型の車外設置は非現実的

ディスプレイ一体型のGPSデータロガーはサイズや重量の問題から、ルーフ設置は現実的ではない。固定方法や安全性を考えると、選択肢から外れると考えてよい。

ディスプレイ一体型モデル

現実解|ダッシュボード上設置が無難な理由

ここまでの条件をすべて踏まえると、最もバランスが取れているのがダッシュボード上への設置である。

多くの車種で成立する汎用性

ダッシュボード上は、

  • GPS電波を受信しやすい
  • 固定が容易
  • 視認性が良い

といった条件を満たしやすい。

特別な加工をせずに設置できる点も、初心者にとっては大きなメリットとなる。

最大の利点は「再現性」

ダッシュボード設置の最大の利点は、
毎回同じ位置・同じ向きで使えることだ。

GPSデータロガーにおいて重要なのは、一度の走行で完璧な数値を得ることではない。
走行を重ねる中で、自分の走りの変化を比較できることが重要だ。

設置条件が安定していれば、数値の絶対値に多少の誤差があっても、変化の方向性は正しく読み取れる。

注意点|熱反射ガラス採用車の場合

一部の車両では、赤外線や紫外線を反射する金属膜を含んだ、いわゆる熱反射ガラスがフロントガラスに採用されている。

GPS電波が通りにくいケース

このタイプのガラスは、可視光だけでなくGPS電波も減衰させる場合があり、車内設置では測位が不安定になることがある。

その結果、

  • 衛星捕捉に時間がかかる
  • 走行中に測位が不安定になる

といった症状が出る場合がある。

対策|アンテナのみルーフに設置する

この場合の現実的な対策は、本体はダッシュボード上に設置したまま、アンテナのみを車外(ルーフ上)に配置することで、受信環境を改善できるケースが多い。

ディスプレイ一体型のGPSデータロガーでもオプションの別体アンテナを追加すれば、アンテナのみを車外(ルーフ上)に設置することが可能となる。
※AIM GPS09cを接続できるのは「AIM Solo 2 DL」、「AIM Solo 2」には接続できない。

絶対に避けたいNG例|設置位置が毎回変わること

設置位置に関して、最も避けるべきなのは走行ごとに設置場所が変わることである。

設置位置が変わると起きる問題

  • Gの数値が比較できなくなる
  • ライン解析の意味が薄れる
  • 上達指標として使いにくくなる

特にGの数値は設置位置の影響を受けやすく、条件が揃っていないと参考にならない。

精度よりも再現性を優先する理由

初心者から中級者にかけて重要なのは、完璧な数値よりも同じ条件での変化を追えることだ。
再現性のないデータは、どれだけ高精度でも役に立たない。

まとめ|GPSデータロガー設置は「理論より再現性」で考える

GPSデータロガーの設置位置について整理してきたが、理論上の理想と、実際に選ぶべき設置位置は必ずしも一致しない。

理論だけを突き詰めれば、車両の重心付近や、GPS受信環境に優れたルーフ設置が理想とされる。
しかし、市販車での運用や初心者の使い方を考えると、設置の難易度や安全性、競技規則との兼ね合いといった現実的な制約が立ちはだかる。

そうした条件を総合すると、ダッシュボード上に固定し、毎回同じ位置・同じ向きで使うことが、
最も無難で失敗しにくい選択となる。

GPSデータロガーは、一度の走行で完璧な数値を出すための機器ではない。走行を重ねる中で、自分の走りの変化や傾向を比較し、上達につなげていくための道具である。

そのため、設置位置において最も重視すべきなのは、理論上の精度よりも「再現性」だ。
設置条件が毎回揃っていれば、多少の誤差があっても、データは十分に意味を持つ。

また、設置位置を決めたあとは、取得したデータをどのように読み取り、走りの改善にどう活かすかが次のステップとなる。
初心者が最初に身につけるべきラップタイムやセクタータイムの読み方については、
超入門編として別記事でまとめている。
▶「GPSデータロガー超入門|初心者が最初に身につけるべき“タイムの読み方”

GPSデータロガーは、正しく設置し、正しく使ってこそ価値を発揮する。
設置位置を安定させることが、データを活かす第一歩となるだろう。

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