小型のDJI Osmo Nanoはモータースポーツで使えるのか?|制約が多い

カメラ

今年の1月にDJI Osmo Action 5 Proを購入して以来、アクションカメラにも強く関心を持つようになった。どうやら9月というのは、Google PixelやApple iPhoneだけでなく、アクションカメラの新製品も登場する季節らしい。それを知ってからは、GoPro HEROシリーズやDJI Osmo Actionシリーズの新モデル発表を心待ちにしていたのだが、実際に登場したのは、これまでの定番アクションカメラとは少し異なるタイプだった。

GoProについては、360度カメラとHEROシリーズの廉価モデルの発表にとどまったため、このブログでは取り上げないことにした。逆に興味を引かれたのは、DJIが発表した小型アクションカメラ「DJI Osmo Nano」である。

この記事では、この「DJI Osmo Nano」がモータースポーツの走行映像を記録するのに十分な性能を備えているのか、公式Webサイトのスペック表から読み解いていきたい。さらに、DJI Osmo Action 5 Proとの比較も行うので、どちらを選ぶべきか悩んでいる人は参考にしてほしい。

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結論|モータースポーツに使うならAction 5 Pro

結論から言えば、車載やヘルメット撮影などモータースポーツ用途ではAction 5 Proが最適だ。防水性能・記録方式・駆動時間・価格の面で安定しており、走行記録を確実に残すなら安心感が段違いである。Osmo Nanoは面白い特徴を持つが、まだ制約が多い印象だ。

DJI Osmo Nano と Osmo Action 5 Proの比較表

項目DJI Osmo NanoDJI Osmo Action 5 Pro
サイズ57.3 × 29.5 × 28 mm70.5 × 44.2 × 32.8 mm
重量52 g146 g
防水性10 m(Dock装着時はIPX4)20 m(防水ケースで60 m)
スクリーンなし(Dock接続で表示)前後OLEDスクリーン搭載
内蔵メモリー64GB / 128GB約47GB
SDカード対応非対応microSD 最大1TB
画角143°155°
標準録画モード4K/60fps4K/120fps
ブレ補正RockSteady 3.0 / HorizonBalancingRockSteady 3.0 / HorizonBalancing / HorizonSteady
駆動時間4K/30fpsで約60分4K/60fpsで約130分、1080p/24fpsで約240分
価格(国内参考)約43,890円〜48,730円約55,000円(セールで44,000円を切る場合あり)

DJI Osmo Nanoの利点|小型・軽量のみ

項目DJI Osmo NanoDJI Osmo Action 5 Pro
サイズ57.3 × 29.5 × 28 mm70.5 × 44.2 × 32.8 mm
重量52 g146 g

Osmo Nano最大の特徴は圧倒的な軽さ(52g)。ヘルメットに装着しても首への負担が少なく、空気抵抗も少ない。特にフォーミュラカーやカートのように軽量性が求められるカテゴリーでは非常に魅力的だ。ただし大きな弱点がある。

防水性が低い|ヘビーウェットでは使用不可

項目DJI Osmo NanoDJI Osmo Action 5 Pro
防水性10 m(Dock装着時はIPX4)20 m(防水ケースで60 m)

弱点は防水性だ。本体は10m防水だが、ヘビーウェットのレース環境では十分ではない。カートやフォーミュラでは雨水や水しぶきが容赦なくヘルメットや車体に叩きつけられる。実際の走行では「水深10mに沈められるか」よりも「強烈な水圧や連続的な水しぶきに耐えられるか」が重要であり、10m防水では心許ない。

さらにVision Dockを使うとIPX4相当に下がってしまい、モータースポーツでの雨天利用はほぼ不可能になる。Action 5 Proのように防水20m、あるいはアクセサリーで防水60mのケースが欲しいところ。

スクリーンの有無|実はあまり重要ではない

項目DJI Osmo NanoDJI Osmo Action 5 Pro
スクリーンなし(Dock接続で表示)前後OLEDスクリーン搭載

本体にはスクリーンがなく、撮影時に映像確認ができない。ただしモータースポーツの場合、一度角度を決めて固定してしまえば、走行中に画面を確認することはほとんどない。そのため、スクリーンレスは実用上そこまで大きなデメリットにはならない。

画角・録画モード・ブレ補正|どれも性能十分!

項目DJI Osmo NanoDJI Osmo Action 5 Pro
画角143°155°
標準録画モード4K/60fps4K/120fps
ブレ補正RockSteady 3.0 / HorizonBalancingRockSteady 3.0 / HorizonBalancing / HorizonSteady

アクションカメラで一番気になるのは画角や録画モードや手ブレ補正の性能だろう。これらに関してはOsmo Nanoでも必要十分な性能と言って問題無い。画角も143°あれば十分どころか広すぎるし、録画モードも4K 60fpsは高性能過ぎる、手ブレ補正もHorizonBalancingが使えるならば、それ以上を求める事はない。

SDカードが使えない|128GBモデルならば余裕あり

項目DJI Osmo NanoDJI Osmo Action 5 Pro
内蔵メモリー64GB / 128GB約47GB
SDカード対応非対応microSD 最大1TB

Osmo Nanoは内蔵ストレージのみで、SDカードが使えない。
– 64GBモデル → 4K/60fpsで約60分の録画
– 128GBモデル → 2時間弱の録画

短いヒートレースなら128GBでギリギリ対応できるが、耐久走行や長時間のテストには不安が残る。一方でAction 5 ProはmicroSD対応のため、カードを交換すれば容量を気にせず撮影できる。

バッテリー駆動時間が短い|充電は割と手間がかかる

項目DJI Osmo NanoDJI Osmo Action 5 Pro
駆動時間4K/30fpsで約60分4K/60fpsで約130分、1080p/24fpsで約240分

Osmo Nanoのバッテリーは530mAhで、4K/30fpsで約60分しか撮影できない。
走行の合間に充電すれば延長はできるが、モータースポーツの現場では合間にやることが多い。タイヤチェック、セッティング変更、給油、データ確認……そうした準備の中で車載カメラの充電はつい後回しになりがちだ。結果として電池切れで「撮りたかった走行が撮れていなかった」というリスクが高い。

価格|Action 5 Proのセール価格が強い

項目DJI Osmo NanoDJI Osmo Action 5 Pro
価格(国内参考)約43,890円〜48,730円約55,000円(セールで44,000円を切る場合あり)

価格はNanoが約4.4〜4.9万円、Action 5 Proは約5.5万円が目安。ただし、Action 5 Proはセール時に44,000円を切ることもある。この場合、価格面でのNanoの優位性はほとんどなくなる。

筆者は定期的にAmazonや楽天市場のアクションカメラのセール状況を確認して、大きく割引が入った時はX(旧Twitter)で情報を発信している。割安にアクションカムを購入したい人は筆者のX(旧Twitter)をフォローしておいてくれ。

まとめ|防水性能が上がれば検討の余地あり

Osmo Nanoは軽量でPOV撮影に適しているが、防水性能・記録方式・バッテリー運用といった点でモータースポーツには不向きだ。特に雨天走行や耐久レースでは弱点が目立ちやすい。

一方、Action 5 Proは信頼性・拡張性・価格面のバランスが優れており、現状ではモータースポーツ用カメラの本命といえる。

もし今後Nanoの防水性能が強化、または防水用のケースがラインナップされれば、ヘルメットマウント用サブカメラとして大きな可能性を秘めるだろう。今後の性能アップに期待する。

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