スマートフォンといえば、iPhone(iOS)かAndroidか──。この二大勢力の違いについて、私は長年iPhoneユーザーとして過ごしてきた。
しかし、思い返せば昔からクルマ仲間(主にレース関係)にはアンドロイド派が多く、ずっとその理由が不思議だった。クルマ仲間以外の人は、iPhoneを持っている確率が異常に高くなるから、これは絶対に気のせいじゃないと思っている。
「なぜクルマ好きはAndroidを好むのか?」
その疑問を解消すべく、私は13年ぶりにアンドロイド端末を手に入れ、iPhoneとの併用を半年間試してみた。結果として、彼らがなぜAndroidを好むのかの理由が見えてきた。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
アンドロイド導入のきっかけはiPhoneへの不満と好奇心
私のスマートフォン歴は、初代だけAndroidで、その後はずっとiPhoneを使ってきた。iPhoneの性能とiOSの操作性、そしてApple Watchとの連携は非常に快適で、他に乗り換える理由が見つからなかったからである。
ただここ数年──いや、正確にはここ5年ほど、iPhoneに対する違和感が徐々に大きくなってきた。
特に気になっていたのが、本体サイズの大型化と価格の高騰である。片手での操作が難しいサイズになり、価格も10万円を超えるのが当たり前となった。
本体サイズと重量に関しては、カバンに入れてApple Watchと連携すれば実用面で不満は無いのだが、数年に一度10万円を超える出費があるのは看過できない。
そんなとき、Galaxy S24が返却プログラムを使えば2年間 月額958円で使えると知り、サブ機として契約。これを機に、再びAndroidの世界に足を踏み入れることになった。
半年間の併用で見えてきた、それぞれの強みと違い

半年間iPhoneとAndroidを併用した結論として、私は今後もiPhoneをメインで使い続ける予定である。
決め手になったのはApple Watchでのタッチ決済だ。財布もスマホも持たずにコンビニに入っていって支払いができるフットワークの軽さを手放すことができなかった。
ただし、「Android=安かろう悪かろう」という印象は完全に覆された。
特に今回使用したGalaxy S24は、ハードウェアの完成度においてiPhone 16 Proを凌駕する部分もあると実感した。というよりも、Apple Watchとの連携とカメラの光学5倍望遠の2つ以外はGalaxyS24の方が上回っていると言ってもいい。
そして何より、「クルマ好きがAndroidを好む理由」について、深く納得できる気づきが得られた。
クルマ好きがアンドロイド端末を好む3つの理由
① クルマ好きならではの「自分だけの1台を持つ楽しみ」に通じる
Androidの最大の魅力は、「自分に合った1台を自由に選べること」である。
たとえば、Xperia1シリーズのようなコンパクト高性能機、ROG Phoneシリーズのようなゲーム特化型、AQUOS senseのような省電力モデルまで、個性の異なる端末が豊富に存在している。
対してiPhoneは、すべての性能が平均的に高いが選択肢は限られ、どれを選んでも似たような体験となる。万人向けである分、“自分だけの1台”という感覚は薄い。
クルマにたとえるなら、「軽量FRで旋回性能を追い込むならロードスター、FF + VTECに拘るならシビックTypeR、全天候で実用性も捨てたくないならスバルWRX S4」と、好みに合わせて特別な1台を選べる喜びに通じる。
選ぶ過程そのものが楽しいというのは、クルマ好きにとって共感できる要素だと思う。私自身も次に買い替えるならどのAndroid機種にしようか情報収集に余念がない。
② クルマを改造することに通じる「自分好みにカスタムする楽しみ」
Androidは、操作性を自分好みにカスタマイズできる自由度が圧倒的に高い。
たとえばNova Launcherと言ったアプリを使えば、アイコンやウィジェットの配置、ホーム画面の構成などを一から作り直せる。
これらはまさに、クルマをチューニングして自分仕様に仕上げていく楽しみと似た感覚だ。
私は今回、最低限の設定変更に留めたが、それでも自分で調整できる幅の広さには驚かされた。
道具を自分のスタイルに合わせて作り込む喜びは、クルマいじりと通じるものがあると実感した。
③ スマートフォンへの出費を抑えてクルマに注ぎ込む熱意
スマートフォンに10万円以上かけるよりも、浮いた分をクルマに回したい──そう考えるクルマ好きは多いはずだ。
Androidには、3万円前後で実用十分な端末がいくつも存在する。たとえばRedmi 12 5Gやmoto g64 5Gは、日常使いに十分なスペックを備えつつ、価格は非常にリーズナブルである。
さらに型落ちモデルがセールで大幅に安くなる機会も多く、コスパを追求した端末選びが可能。
結果として、スマホに無駄な出費をせず、その分をタイヤ代・メンテ代・ガソリン代に回せるという合理的な選択ができる。
スマホは“ほどほど”で良い。情熱を注ぐのは、あくまでクルマ。
Androidは、そんな価値観と相性の良い選択肢であると実感した。
結論:私は(今はまだ)iPhone派。でも、Androidの世界も魅力的だった
私は、まだしばらくの間はiPhoneを使い続けるだろう。
ただし、今回の体験を通じて、Androidは決して「安価な代替品」ではなく、選ぶ価値のある、むしろ積極的に選びたくなる選択肢だと思うようになった。
特に、選べる・いじれる・節約できるというAndroidの特性は、クルマ好きの思考と驚くほどリンクしている。
スマートフォンもまた、“道具”として自分にフィットする1台を選ぶ時代である。
次にどんなAndroid端末が出てくるのか──これからも注目しながら、iPhoneとAndroid、両方の世界を楽しんでいきたいと思う。
コメント