冬のモータースポーツ観戦や遠征ドライブでは、天候が一瞬で変わることが珍しくない。
自宅は快晴でも、道中で突然の吹雪に襲われることもあれば、逆に「現地だけ道路がツルツル」という状況も日常だ。特に冬の道路で最大の敵となるのが路面凍結と突然の積雪である。
雪道では、ドライバーの技術よりも“事前の準備”が安全を大きく左右する。
スタッドレスタイヤはもちろん、オールシーズンタイヤで本当に走れるのか、どんな装備を車内に積んでおくべきか――。準備不足のまま走り出すと、立ち往生や視界不良など、思わぬトラブルにつながりかねない。
この記事では、冬のドライブを安全に乗り切るために欠かせない
- クルマの冬支度
- 雪道で必ず役立つアイテム
- 立ち往生時の行動マニュアル
を、筆者視点でまとめてみた。
冬の道路は “備えた人ほど安全に走れる”
これから冬本番を迎える前に、あなたのクルマも万全の冬支度を整えてほしい。
目次(クリックでジャンプ)
雪道を走る前にまず確認すべき“クルマの冬支度”
冬の道路は、路面状況の変化がとにかく急である。積雪、凍結、みぞれ、シャーベット路面など、同じ日の中でも路面が何度も表情を変える。そのため「走りながら何とかする」のではなく、走り出す前の準備こそが安全の9割を握ると言っても過言ではない。ここでは、冬のドライブ前に必ず確認しておきたい“クルマ側の冬支度”をまとめる。
スタッドレスタイヤ|交換時期と寿命の見極め
スタッドレスタイヤは、雪道で最も重要な装備である。だが「溝が残っているから大丈夫」と思っている人も多く、これが大きな落とし穴となる。
寿命の目安は“新品の50%以上”
一般的に、スタッドレスは溝の深さが新品の50%を切ると性能が急激に低下する。見た目はまだ使えそうでも、氷上ブレーキ性能は新品時と比べて大きく低下し、突然止まれなくなる危険がある。
必ず4輪すべて交換する
「FFだから前だけ交換すれば良い」という声も聞くが、これは完全に誤りである。後輪が滑ればテールが出てスピンにつながる。雪道で最も怖いのは“車の向きが変わること”であり、4本同時交換は絶対条件となる。
年数劣化にも注意
週末しか乗らない車は、走行距離は少なくてもゴムの硬化だけ進んでいるケースがある。硬くなったスタッドレスは氷上ではほぼ効かない。製造年数(DOT表記)も必ず確認したい。
オールシーズンタイヤは雪道で通用するのか?
近年よく聞くようになったオールシーズンタイヤ。
「冬も履き替えずに走れて便利」というイメージがあるが、実際の雪道ではどうなのか。
軽度の積雪には対応できる“ハイブリッド”
オールシーズンタイヤは、夏タイヤに近い構造を持ちながら、浅い雪やみぞれにも対応する“万能型”である。都市部で年に数回だけ薄っすら雪が積もる程度なら、一定の効果は期待できる。
圧雪・アイスバーン・峠道では性能不足
しかし、スタッドレスタイヤの代わりになるかと問われれば、答えは“No”である。
氷上での制動距離はスタッドレスより大幅に伸び、特に下り坂や交差点で止まれないケースが多い。
チェーン規制には注意
オールシーズンタイヤ装着車は、チェーン規制の対象となり、チェーン携行や装着が必要になる。そのため、北海道遠征や山間部のラリー観戦など、本格的な冬路面では推奨しない。
結論
- 都市部・平坦路 → 条件次第で実用可
- 雪国・峠・遠征 → スタッドレスタイヤ一択
冬にクルマで移動する機会が多い人ほど、迷わずスタッドレスを選びたい。
タイヤチェーン|“普段使わない人こそ”練習が必要
いざという時に頼りになるのがタイヤチェーンである。
スタッドレスを履いていても、大雪・凍結路・急坂・チェーン規制区間ではチェーンの装着が必要になる場合がある。
チェーンの種類
- 金属チェーン:深雪や急坂に強い
- 非金属チェーン:装着が比較的容易で扱いやすい
- 布チェーン:応急用として有効、軽量
目的や車種に応じて選びたい。
使った経験がない人ほど“事前練習”が必須
雪の中で初めて装着しようとしても、寒さと視界不良で手が動かない。
晴れた日に自宅駐車場で一度試すことが、結果的にトラブルを防ぐ最短ルートとなる。
寒冷地用ウォッシャー液|凍ると詰む
一般的なウォッシャー液は −5℃付近で凍結 するものも多く、吹き出し口やホースが凍ればウォッシャーが出ず、視界確保ができなくなる。
寒冷地用は最低でも−20℃対応
特に峠道や早朝・深夜の走行では必須である。
また、水で薄めると凍結温度が上がるため、冬は原液使用が基本となる。
冬用ワイパー|凍結とモーター破損を防ぐ
冬のワイパーは、意外に見落とされがちな装備である。
冬用ワイパーは“硬くならないゴム”を採用
雪の重みや氷による固着に強く、払拭性能が安定する。
朝のガラス凍結でやりがちなNG行動
凍ったままのワイパーを無理に動かすと、モーターユニットが破損する。
これは実際の修理例も多く、冬の朝に最も多いトラブルの一つである。
駐車時は“ワイパーを浮かせる”と凍結防止になる
これは雪国では常識だが、都市部では意外と知られていない。
発進前に“必ず”やるべき7つの除雪手順
冬のドライブで意外と見落とされがちなのが「発進前の除雪」である。
どれだけスタッドレスを履いていても、クルマに雪が残ったまま走り出すと、視界不良・落雪事故・スタックなど、思わぬトラブルにつながる。ここでは、JAFが推奨している内容をベースに、実際の雪国ドライバーが必ず実践している“7つの手順”を、理由とあわせて解説する。
手順①:ドア上の雪を払う|車内への雪侵入を防ぐ
まず最初に行うのは、運転席ドアの上に積もった雪を落とす作業である。
ここを怠ると、ドアを開けた瞬間に雪が車内へドサッと落ちてきて、シートや足元が濡れてしまう。水分は冬の車内を急速に冷やし、窓の曇りや足元の冷えにも直結するため、最初に確実に払っておきたい。
手順②:ルーフ前方の雪を落とす|走行中の“落雪事故”を防止
次にルーフ、特に前方部分に積もった雪を軽く落とす。
雪が残ったまま走ると、加速時やブレーキ時に雪が前方向へスライドし、フロントガラスを一瞬で覆い視界ゼロになる危険がある。実際に雪国では、ルーフの落雪が原因の追突事故も発生している。落とせる雪は出発前にしっかり処理しておくことが安全につながる。
手順③:左右の窓ガラスの雪・霜を落とす|交差点の安全確認に必須
クルマの前後だけでなく、左右の窓を確実に除雪することも重要である。
ここが真っ白だと、交差点での左右確認が不十分となり、歩行者や対向車が見えない。特に夜間は雪と光が反射しやすく、少しの霜でも視認性が大きく低下するため、スクレーパーを使ってしっかり除去したい。
手順④:フロントガラスの霜取り → ワイパーを戻す
フロントガラスは最も視界に影響する部分である。
まず霜や氷をスクレーパーで落とし、デフロスターで温める。このとき、凍りついたワイパーを無理に動かすと、モーターの焼損やブレード変形につながるため注意が必要である。
ガラスが完全にクリアになったら、ワイパーを正常位置へ戻す。冬の朝はワイパーを立てて駐車する人も多いが、その場合も忘れず元に戻したい。
手順⑤:リアガラスの霜取り|後方視界を確保する
リアガラスは軽視されがちだが、雪道では後方確認が生命線となる。
ブレーキ灯の視認性にも影響するため、必ず霜を落とし、リアデフォッガーを併用してクリアにしておく。SUVやミニバンはリアガラスが大きく、雪が残ると後続車からの視認性が大きく下がるので特に注意したい。
手順⑥:ホイールハウスの氷を除去|ハンドル切れ角の確保
フロントタイヤ周辺のホイールハウスに雪や氷が固まることがある。
これを放置すると、ハンドルを切ったときにタイヤに干渉し、異音・操舵制限・タイヤ損傷の原因になる。スノーブラシの反対側やブーツの先で軽く叩いて崩すとスムーズに取れる。
雪国では誰もが当たり前に行っている冬の基本作業である。
手順⑦:車の前方を除雪|発進直後のスタックを防ぐ
最後に、タイヤの前に積もった雪を取り除く。
深い雪がタイヤの前に残っていると、発進時に車が押し負けてしまい、その場でスタックすることが多い。特にFF車は前に雪があると弱く、“アクセルを踏んでも動かない”という状況につながりやすい。スコップでタイヤ前方をサッと除雪するだけで、発進成功率が大きく変わる。
まとめ:除雪は「走り出してから」では遅い行為である
雪道のトラブルは、走行中よりも出発前に起きることが多い。
ルーフの雪が落ちてきたり、視界が曇ったり、スタックしたり――そのほとんどが“発進前のひと手間”で防げるものである。冬のドライブは、出発前の5分が安全のすべてを決める。雪国で当たり前にやっている7つの手順を、ぜひあなたの冬支度にも取り入れてほしい。
雪道ドライブに“車内へ積んでおきたい”必須アイテム一覧
雪道では、走行テクニックよりも“装備の有無”が安全を大きく左右する。特に突然の積雪や路面状況の悪化に遭遇すると、クルマそのものよりも携行しているアイテムの差がトラブルの生死を分ける場面もある。ここでは、冬のドライブで必ず役立つ必須アイテムと、余裕があれば揃えたい安心アイテムを、モタナビ視点でわかりやすくまとめた。
まず絶対に積むべきアイテム(マスト)
スコップ(折りたたみ式推奨)
雪道ドライブの“生命線”とも言えるアイテムである。
タイヤ前に積もった雪をどけたり、スタック時に脱出用のルートを作ったりと、用途は多岐にわたる。
- スチール製:圧雪・氷割りに強い
- ポリカ製:軽くて扱いやすい
- 折りたたみ式:遠征や日常車に最適
特にスタックしたときは、スコップがあるかどうかで30分以上の差が出る。雪国遠征なら必須装備である。
スノーブラシ+スクレーパー
ルーフの雪落とし、窓の霜取り、ワイパー周りの除雪など、冬はほぼ毎日使うアイテムである。
- 伸縮タイプはSUVやミニバン向け
- スクレーパー付きは厚い氷に強い
- タイヤハウスの氷を叩いて落とす用途にも使える
雪を払わず走り出すと、前方・後方・側方の視界が一気に奪われるため、冬は積み忘れ厳禁である。
解氷スプレー
鍵穴・窓ガラス・ワイパーが凍りついたときの“即効性”に優れている。
スクレーパーでは時間がかかる厚い氷でも、スプレーを吹くだけで数秒で溶けるため、早朝の出発時に重宝する。特にワイパー凍結を無理に剥がすとブレード破損・モーター焼損につながるため、冬は必ず携行しておきたい。
タイヤチェーン+ジャッキ
スタッドレスタイヤを履いていても、
- 急坂の圧雪路
- 峠道
- チェーン規制区間
などではチェーンが必要になる。
チェーンは金属・非金属・布タイプがあるが、重要なのは**「事前に自分のクルマで装着練習をしておくこと」**である。雪の中で初めて触ると、ほぼ装着できない。ジャッキの位置を説明書で確認しておくことも忘れずにしたい。
けん引ロープ
スタック時に、周囲の車に助けてもらうための装備である。特に深雪では、スコップだけで脱出するのは困難な場合も多い。
- ナイロン製はショック吸収に優れる
- 金具部分がしっかりしたものを選ぶ
- フック位置(牽引フック)は事前に確認しておく必要あり
誤った使い方をするとバンパー破損や車両損傷につながるため、収納前に説明書へ目を通しておくことを強く推奨する。
ブースターケーブル
冬場はヒーター・ワイパー・ライトの使用量が増え、バッテリーが上がりやすいシーズンである。
特に早朝の出発時や、渋滞・立ち往生時の長時間停車では注意が必要だ。HV(ハイブリッド)車やEVでは接続する端子が特殊な場合があるため、“適切な接続ポイントを必ず確認してから使う”ことが重要となる。トラブル時の不安を一気に減らせるため、冬は必ず積んでおきたい。
できれば積みたい“安心アイテム”
ここからは、非常時の快適性と安全性を大きく高める“安心アイテム”である。絶対ではないが、揃えておくことで冬旅のストレスが大幅に減る。
長靴・軍手・防水手袋
雪中でのチェーン装着・除雪・スタック対応など、雪道での作業はどうしても外に出る必要がある。濡れた靴や素手では作業性が大幅に低下するため、冬用の手袋・防寒ブーツを車内に常備するだけで安心感が違う。
懐中電灯(ヘッドライト型推奨)
トラブルが起きるのは日中とは限らない。夜間のチェーン装着、バッテリー接続、車両確認など、両手を使う作業が多いのでヘッドライト型が最強である。
毛布・ブランケット
立ち往生時は、暖房をつけ続けると燃料が危険な速度で減る。毛布があるだけで体温低下を防ぎ、精神的にも安心できる。さらに、スタック時にタイヤへ噛ませる“脱出補助”としても役立つ。
携帯トイレ
豪雪渋滞では、トイレ問題が深刻になる。数時間動けなくなるケースは珍しくないため、携帯トイレがあるだけで心理的負担が大きく軽減される。特に家族連れや雪国遠征ドライバーにおすすめである。
非常食・水
数時間の立ち往生でも体力が低下する。
- カロリーメイト
- チョコバー
- ようかん
など、“寒さでも固まらず、すぐ食べられるもの”が向いている。水は凍結の可能性があるため、室内に置いておく or 小さめのペットボトルが良い。
使い捨てカイロ・緊急用アルミシート
暖房を切った状態でも耐えられる時間を延ばす装備である。車内は意外と急激に冷えていくため、1〜2時間で体温低下が始まる。アルミシートは軽量でかさばらないので“車に必ず一枚”が基本である。
まとめ:冬の装備は「全部使う日が来るかもしれない」ではなく「ないと困る日が必ず来る」
雪道のトラブルは、決して特別なものではなく、**雪が少ない地域でも突然訪れる“ありふれた危険”**である。装備が揃っているだけで、トラブル対応時間が短縮され、安全性も快適性も大きく向上する。冬のドライブは“準備した人ほど助かる”。愛車にも、ぜひ最低限の冬装備を積んでおいてほしい。
“立ち往生”したときに命を守るための行動マニュアル
冬の道路では、どれだけ準備をしていても、予期せぬ大雪や事故渋滞に巻き込まれ、身動きが取れなくなる場面がある。いわゆる“立ち往生”である。これ自体は珍しいことではないが、対応を誤ると体温低下や排気ガスによる危険につながりかねない。ここでは、雪道で立ち往生した際に、命を守るために最優先で実行すべき行動をまとめる。
まずは「自分の安全」と「車の状態」を確認する
立ち往生に遭遇した直後に重要なのは、焦らず状況を整理することである。
- クルマが雪に埋まっていないか
- マフラー周辺が塞がっていないか
- 他車の巻き込み事故の危険がないか
- 助けを求められる通信手段があるか
特に冬の立ち往生で最も危険なのは、排気ガスがこもることによる一酸化炭素中毒である。エンジンをつけたまま停車している車内は暖かいため、危険に気づきにくい。最初に必ず確認したい。
マフラー周りの雪を除去する|一酸化炭素中毒を防ぐ最重要行動
大雪や吹き溜まりに遭うと、マフラーが雪で塞がれてしまう。
これを放置したままエンジンをかけていると、排気ガスが車内へ逆流してしまう。
- マフラーの周囲30〜50cmはしっかり除雪する
- エンジンは“完全に雪を取り除けた状態のときだけ”かける
- 雪が降り続く場合は、定期的に外へ出て再確認する必要がある
実際に、立ち往生中の一酸化炭素中毒事故は毎年のように発生している。
これだけは絶対に怠ってはならない行動である。
暖房は「10〜15分暖房 → 40分停止」のサイクルで使用する
長時間の暖房使用は、燃料の消費量を想像以上に増やす。特に高速道路の渋滞や雪の降り続く国道では、救助まで数時間かかることも珍しくない。
推奨サイクル
- 10〜15分だけ暖房で車内を温める
- その後40分ほどエンジンを切って体温維持をする
これを繰り返せば、燃料とバッテリーの消費を大きく抑えられる。毛布やカイロがあると、この切替サイクルでの寒さがかなり軽減する。
すぐ脱出しようとせず、まず“周囲の状況”を確認する
焦ってアクセルを踏み続けると、タイヤが空転して雪が固まり、逆に深く埋まってしまうことが多い。以下を確認したい。
- 周囲の車が同様に動けないか
- 車外に出て安全か
- 除雪車が来ているか、道が塞がっているか
- むやみに動くより「待つほうが安全」なケースもある
雪道では、状況判断こそ最大の安全対策である。
脱出を試みる場合の“正しい手順”
以下を守ると、車を傷めず、安全に脱出できる確率が上がる。
- タイヤ前後の雪をスコップで除去する
- タイヤが乗り出せる“溝”を作る
- 過剰にアクセルを踏まない(空転は悪化の元)
- 低速ギアでゆっくり前後に揺する「ロッキング走行」を試す
- けん引ロープがあれば、救助車に連携を依頼する
特に深雪では、最初の除雪が甘いと何をしても動かない。“力技より、丁寧な準備”が大事である。
車内の“温度・湿度管理”を意識する
暖房を切ると車内は急速に冷えるが、一方で暖房を入れすぎると結露と曇りが発生する。
- 車内の湿度を下げるため定期的に換気
- 口元の呼気でフロントガラスが曇るため、デフロスターを適宜使用
- ブランケットやカイロで体温を補助する
車内環境が整うと、精神的にも落ち着きを保てる。
JAFや道路管理者への救援依頼は“早めに”行うべき
雪道の立ち往生は、時間が経つほど悪化していく。
- 降雪量が増える
- マフラーが再び埋まる
- 燃料が尽きる
- 混雑で救援車が近づけなくなる
そのため、“まだ大丈夫かな”と思える段階で、JAFや高速道路の緊急ダイヤルへ早めに連絡するほうが安全である。位置情報がわかるスマホアプリや、ハザードランプ・三角表示板での後続車への知らせも忘れずにしたい。
まとめ:立ち往生は“冷静さ”が命を守る
雪道での立ち往生は、誰にでも起こり得る。しかし、適切な行動を知っているだけで、危険度は大きく下がる。
- マフラー除雪
- 暖房サイクル
- 周囲確認
- 脱出手順
- 早めの救援要請
これらを落ち着いて実行できれば、長時間の停滞でも安全を確保できる。冬の道路では、準備と知識が“最大の武器”。ぜひこのマニュアルを頭に入れて、冬のドライブに備えてほしい。
雪道初心者が“最初に買うならこれ”の優先順位ベスト10
雪道の装備は、揃えようと思うといくらでも種類がある。しかし初心者のうちは、すべてを一度に揃える必要はない。まずは 「遭遇しやすいトラブルに直結しやすいアイテム」 から順番に揃えるのがもっとも効率的である。
ここでは、雪道ビギナーが最低限持っておくべきアイテムを、重要度 × 使用頻度 × 効果の大きさ の3つで総合評価し、優先順位ベスト10としてまとめた。
1位:スノーブラシ(スクレーパー付き)|毎日使う“冬装備の王様”
雪道で最も出番が多いアイテムである。
屋根の雪落とし・ガラスの霜取り・ワイパー凍結の解除など、冬の朝はこれがないと何も始まらない。
- 伸縮式はSUV・ミニバン向き
- スクレーパー付きは氷に強い
使用頻度・重要度ともにトップクラス。最初に買うべき1本である。
2位:寒冷地用ウォッシャー液|視界の確保は命を守る
通常のウォッシャー液は−5℃前後で凍結するものもあり、吹き出し口やタンクが凍れば視界は完全に奪われる。
- 原液使用で−20〜−30℃対応
- 晴天時の融雪剤汚れにも必須
“視界が悪い=事故に直結”であるため、優先度は極めて高い。
3位:解氷スプレー|早朝の出発が劇的に楽になる
窓ガラスやワイパー、鍵穴の凍結に即効性を発揮する。
スクレーパーよりも圧倒的に早く氷を融かせるため、冬の朝の必需品である。
- ワイパーを無理に動かすとモーター破損
- 厚い氷でも短時間で除去できる
一本あるだけで冬のストレスが大きく減る装備である。
4位:スコップ(折りたたみ式推奨)|スタック脱出の生命線
雪道で最も困るトラブルが“発進不能(スタック)”である。
スコップは、タイヤ前の雪をどける・脱出ルートを作るなど、スタック対策に欠かせない。
- スチール製:氷割りに強い
- ポリカ製:軽量で扱いやすい
“これがあるかないかで脱出時間が30分以上変わる”と言っても過言ではない。
5位:長靴・防水手袋|雪中作業の作業性を大幅改善
チェーン装着や除雪作業は、どうしても外へ出る必要がある。
普通のスニーカーや薄手の手袋では、濡れたり冷えたりして作業が進まない。
- 防水ブーツは雪国遠征の必需品
- 冬用手袋は作業性が高まる
“外に出られないと何もできない”ため、優先度5位となる。
6位:ブースターケーブル|冬はバッテリー上がりが多発する
寒さでバッテリー性能が低下し、ヒーター・ワイパー・ライトの多用で電力消費も増える。
結果として冬はバッテリー上がりが非常に多い。
- 1本積むだけで不安が激減
- HV・EVは接続ポイントに注意
深夜や郊外でバッテリー上がり=手詰まりとなるため、優先度は高い。
7位:けん引ロープ|他車の救援を受けられる装備
スコップだけでは脱出できないケースがある。そんな時に他車へ助けを求めるための生命線がけん引ロープである。
- ナイロン製は衝撃吸収に優れる
- 金具の強度とフック位置を事前確認
雪国の人はほぼ全員積んでいる装備であり、冬の長距離ドライブでは必須に近い。
8位:毛布・ブランケット|体温維持と非常時の安心感
立ち往生に巻き込まれた場合、暖房をつけ続けると燃料が急激に減ってしまう。
- エンジン停止中の体温低下防止
- 精神的な落ち着きに寄与
- 脱出時にタイヤへ噛ませる“補助材”としても活躍
軽量でかさばらないため、積んでおいて損はない。
9位:携帯トイレ|豪雪渋滞での“精神安定装備”
雪の渋滞では、数時間まったく動かないことも珍しくない。
その時に最も深刻なのが“トイレ問題”である。
- 特に女性や子ども連れには必須
- 使用方法は事前に確認しておくと安心
持っているだけで、長時間渋滞の不安が大きく減る。
10位:使い捨てカイロ・緊急用アルミシート|暖房節約の強い味方
暖房を消した状態でも体温を保ちやすくなる、冬のバックアップ装備である。
- カイロは即効性が高い
- アルミシートは低体温症の防止に効果的
- 立ち往生時の“最後の砦”として役に立つ
軽くて収納性が高いため、冬の非常用として常備しておきたい。
まとめ:まずは“頻度”と“安全性”が高いものから揃えるべき
雪道装備は多ければ多いほど安心だが、初心者が最初に揃えるべきは 「使う頻度が高いもの」 と 「トラブルを未然に防ぐもの」 である。
- 毎日使うもの
- ないと危険が増すもの
- 立ち往生時に役立つもの
この3つを優先して揃えれば、雪道デビューでも安全性は格段に上がる。冬の準備は“投資”ではなく“保険”である。あなたの冬ドライブも、この10点から始めてほしい。
まとめ|最低限そろえる → 毎冬アップデートしていく
雪道の安全性は、ドライバーの腕よりも“事前の準備”に大きく左右される。スタッドレスタイヤの性能、車内に積んだアイテム、出発前の除雪手順――どれも些細に見えるが、実際には冬のトラブルを未然に防ぐための重要な要素である。
まずは、今回紹介した中から使用頻度が高いもの・命を守るものを優先して揃えてほしい。
- スノーブラシ
- 寒冷地用ウォッシャー液
- 解氷スプレー
- スコップ
- ブランケットや防寒装備
これら“最低限の冬装備”だけでも、安全性は一気に高まる。
さらに走行環境に合わせて、けん引ロープやブースターケーブル、携帯トイレなどを追加していけば、冬の遠征や長距離ドライブにも安心して臨めるようになる。
雪道対策は、一度揃えて終わりではなく、毎年の気温・路面・遠征内容に応じてアップデートしていくものである。特にスタッドレスタイヤは年数とともに性能が低下するため、定期的な点検と交換を欠かさないようにしたい。
冬の道路は“備えた人ほど安全に走れる”。
これから本格的な雪のシーズンを迎える今こそ、あなたのクルマの冬支度を見直すタイミングである。万全の準備を整え、安心して冬のドライブを楽しんでほしい。





































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