いよいよ明日から、東京ビッグサイトで「ジャパンモビリティショー2025」が開催される。名前こそ聞いたことがある人も多いだろうが、「クルマの展示会でしょ?」と思っている人は多いはずだ。しかし、実際に足を運んでみるとその印象は大きく変わる。そこにあるのは単なる“クルマ”ではなく、クルマを通して描く“未来の社会”そのもの。この記事では、8回連続で現地に足を運んできた筆者が、現地で感じた“本当の楽しみ方”を紹介する。
※2025年のジャパンモビリティショーは閉幕しましたが、この記事は2年後のジャパンモビリティショーでも活用できる内容です。
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結論|ジャパンモビリティショーはクルマの“未来”を感じる所

ジャパンモビリティショーは、もはや単なる「クルマ好きのための展示会」ではない。それは、“未来の暮らし”や“社会の仕組み”を体感できる場所である。クルマを中心に、ロボティクス・AI・通信・モビリティサービスなど、多くの分野が融合している。クルマの「未来」を感じたいなら、現地で“人の熱”を感じることが最も重要だと思う。
ジャパンモビリティショーとは?東京モーターショーとの違いを解説
かつて「東京モーターショー」と呼ばれていたイベントは、2019年から「ジャパンモビリティショー」へと名称を変更した。この名称変更には明確な意図がある。単なる自動車展示の枠を超え、“移動=モビリティ”全体を包括する場へと進化したのだ。
2025年のジャパンモビリティショーは、東京ビッグサイト全館を使い、10月30日から11月9日までの11日間にかけて開催される。出展企業は自動車メーカーだけでなく、通信、家電、スタートアップ、さらには自治体まで幅広い。「移動することの意味」を社会全体で考えるイベントとなっている。
公式WEBサイト:Japan Mobility Show 2025
筆者のジャパンモビリティショー経歴
私が初めてこのイベントに訪れたのは2007年。当時は幕張メッセで開催されており、感覚的には今よりも来場者数は少なかったように感じる。しかし、そこに展示されていたスポーツカーや電気自動車のコンセプトカーは、確かに“未来”を感じさせる存在だった。
それから十数年。EV、燃料電池、そして自動運転技術。時代とともに技術のトレンドは移り変わったが、会場で感じる熱気だけは変わらない。私は以降、2009年、2011年、2013年、2015年、2017年、2019年、2023年と、計8回の開催を見届けてきた。毎回、新しい発見と驚きがある。それがこのショーの魅力である。
来場者数が証明する人気ぶり|クルマ離れなんてきっと嘘
よく耳にする「若者のクルマ離れ」。だが、ジャパンモビリティショーに行けば、その言葉がいかに現実と乖離しているかを実感できる。2023年の来場者数は約111万人。過去最高を記録した。東京ビッグサイトの会場内は、人・人・人。人気ブースでは前に進むことすら難しくなる。
家族連れやカップル、学生グループ、海外からの来場者。世代も国籍も関係なく、多くの人がクルマの周りに集まり、写真を撮り、笑顔を交わしている。時代は変わってもクルマは人を惹きつけ続けていると、毎回改めて思わされる光景である。
お目当てのクルマを見るには行列に並ぶ必要がある

人気のコンセプトカーは、常に長蛇の列。特にトヨタ、ホンダ、日産、マツダのスポーツカーコンセプトは30分以上並ぶことも珍しくない。1台見るだけで時間と体力を奪われるので、全ての人気車を1日で制覇するのは不可能と言っていい。
どうしても行列に並ぶのが嫌だという人は、平日に見に行くのがおすすめだ。わずかだが人だかりは減るので見やすい環境になっているはずだ。ただ、筆者的には人だかりも含めてジャパンモビリティショーの醍醐味だと思っているので、行列の待ち時間の楽しみ方を伝授しようと思う。
待ち時間は人間観察がおすすめ
行列に並んでいる間、スマホをいじるのもいいが、ぜひ“人間観察”をしてみてほしい。展示車両の前で写真を撮る人たちは、ほとんどが笑顔だ。その姿を見ると、クルマが持つ「人を幸せにする力」を改めて感じることができる。
親子でクルマを見ている姿、友人同士で「これ欲しい!」と盛り上がる声、カメラを構える年配の方々。そんな光景を見ていると、クルマの未来にも希望が見えてくる。未来のクルマも、きっと人を笑顔にする存在であり続けるだろうと思う。
コンセプトカーの見方|プレゼンショーとセットで楽しむべし

時間をかけてコンセプトカーを見たら、必ずそのメーカーのプレゼンショーも見てほしい。デザインの裏には、技術者やデザイナーたちの「想い」が詰まっている。コンセプトカーだけを見ても、その意図までをくみ取るのは難しい。だからこそ、ショー形式のプレゼンを通して“背景”を理解することが重要である。
例えば、日産が提案する「EVと家庭電力の共有モデル」や、スズキが発表した「地方モビリティ支援」など。一見地味に見える展示でも、プレゼンを聞くと“社会の変化”が見えてくる。モビリティショーを本当に楽しむコツは、「見る」だけでなく「聴く」ことにある。プレゼンショーを体験してこそ、このイベントは完結すると思う。
コンパニオンの写真撮影はほどほどに

ジャパンモビリティショーにもコンパニオンはいるが、オートサロンほど多くはない。それでも人気ブースでは人だかりができ、撮影待ちの列ができることもある。撮影を楽しむのは構わないが、他の来場者の迷惑にならないようにスピーディーに済ませたい。
そして、撮影するならスマホよりミラーレスカメラをおすすめしたい。理由は単純で、良いカメラを持っている人には、コンパニオンも自然と優先的に目線をくれることが多い。結果的に短時間で良いカットが撮れ、行列の流れを妨げない。撮影マナーを守ることも、イベントを快適に楽しむ大切な要素である。
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まとめ|クルマの未来を感じるには「人」を見よう
ジャパンモビリティショーを最大限に楽しむコツは、「クルマ」ではなく「人」を見ることだと思っている。展示車に触れる人、プレゼンを食い入るように見る人、笑顔で語り合う人。そこにこそ、クルマが社会をつなぐ“未来の姿”がある。
このイベントは、技術の最前線を体感するだけでなく、“人とクルマの関係”を再確認できる貴重な場である。今までモビリティショーに興味がなかった人も今年は、最新のモビリティと人々の笑顔を見に行ってみてほしい。きっと、普段感じることのできない“クルマの未来”を見つけられるはずだ。



















































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