ヘルメットやグローブと同じく、レーシングシューズも走行の安全性や操作性に直結する重要な装備である。特に四輪モータースポーツでは、競技ごとに求められる性能や規格が異なり、「どのシューズを選ぶべきか」で迷う人は少なくないだろう。
「レーシングシューズ=FIA公認が必須」と思われがちだが、実際にはすべての競技でFIA公認が求められるわけではない。レンタルカートやオートテスト、アベレージラリーのようにスニーカーで問題なく参加できるカテゴリーもあれば、サーキットレースやD1のようにFIA公認シューズが必須となる競技も存在する。その中間として、ジムカーナやダートトライアル、スペシャルステージ形式のラリーでは、FIA非公認モデルでも参加可能なケースが多い。
シューズ選びを失敗しないために重要なのは、「高額なモデルを選ぶこと」ではなく、自分が参加するカテゴリーで何が求められているかを正しく知ることである。必要以上に高価な装備を揃える必要はなく、逆に規則を満たしていないシューズでは競技に参加できない場合もある。
この記事では、初心者でも迷わず判断できるように、レンタルカート、レーシングカート、オートテスト、ジムカーナ、ダートトライアル、ラリー、サーキット走行会、サーキットレースといった主要カテゴリー別に、
- スニーカーで対応できるか
- レーシングシューズが推奨されるか
- FIA公認が必須か
をわかりやすく整理したうえで、おすすめのシューズを紹介する。
これから四輪モータースポーツに挑戦したい人はもちろん、「今のシューズで本当に問題ないのか」と不安を感じている人にとっても、判断の基準となる内容をまとめている。自分の走るカテゴリーに合った一足を見つけるための参考にしてほしい。
目次(クリックでジャンプ)
結論|4輪レーシングシューズは「カテゴリー」で必要条件が決まる
結論から言えば、レーシングシューズ選びに共通の正解は存在せず、参加するカテゴリーによって必要な条件は大きく異なる。
レンタルカートやオートテスト、アベレージラリーのようにスニーカーで対応できる競技もあれば、サーキットレースやD1のようにFIA公認シューズが必須となるカテゴリーもある。まずは「自分がどの競技に参加するのか」を明確にすることが、シューズ選びの出発点となる。
また、ジムカーナやダートトライアル、スペシャルステージ形式のラリーでは、FIA非公認モデルでも参加可能なケースが多い。このようなカテゴリーでは、必ずしも高価なFIA公認モデルを用意する必要はなく、難燃性や操作性を備えたレーシングシューズを選べば十分対応できる。重要なのは価格やブランドではなく、競技規則を満たしているかどうかである。
一方で、サーキットレースやトップカテゴリーのドリフト競技では、安全規則が厳しく定められており、FIA8856-2018規格に適合したレーシングシューズが必須条件となる。規格外のシューズでは出走自体が認められない場合もあるため、事前に競技規則を確認し、装備条件を満たしたモデルを選ぶことが不可欠だ。
レーシングシューズは単なる「靴」ではなく、足元から操作性と安全性を支える重要なレーシングギヤである。自分の参加カテゴリーに合った一足を選ぶことで、ペダル操作の安定感が向上し、安心して走行に集中できるようになるだろう。
本記事を参考に、自分の競技に必要な条件を整理し、無理のない装備選びにつなげてほしい。
まず確認|スニーカーOK?FIA公認必須?判断ポイント
4輪レーシングシューズの役割|安全性・操作性・耐久性
安全性を確保するためのシューズ
モータースポーツシューズが最も重視する役割は「安全性」である。燃えにくい素材で作られており、火災や高温のフロアにさらされても足を守れるよう設計されている。特にFIA公認モデルは難燃性テストをクリアしており、公式競技では装備規定により義務付けられている場合もある。さらに、足首まで覆うハイカット形状は炎や熱からの防御だけでなく、靴ひもの引っ掛かりや肌の露出を抑える効果も持つ。
ペダル操作を正確に伝える性能

次に重要なのは「操作性」である。レーシングシューズはソールが薄くしなやかで、ペダルの感触を足裏へ直接伝える。これによりブレーキの踏み込み加減やアクセルの微調整がしやすくなる。つま先は細身に設計されているため、狭いペダル間隔でも誤操作を防ぎやすい。さらに、かかとの形状が丸みを帯びているためペダルの踏み込みや踏みかえをスムーズに行う事ができる。
安定した感覚を維持する耐久性
耐久性も大切な要素である。つま先や靴の側面といった摩耗しやすい部分には補強が施され、ペダルやシフト操作で擦れても破れにくい。ソールには適度な剛性があり、長期間使っても踏み味の変化が少ない。レーシングシューズはレーシングギヤの中でも特に長持ちするので、妥協なくピッタリの一足を選んでもらいたい。
FIA公認とは?|8856-2018の意味と「必要な競技/不要な競技」

最後に忘れてはならないのが「規格適合」である。レンタルカートやオートテストでは任意の場合もあるが、サーキットレースやドリフトのトップカテゴリー(D1など)ではFIA8856-2018の規格に適合したレーシングシューズが必須条件となる。規格外のシューズでは出走が認められないこともあるため、購入前に必ず競技規則を確認しておく必要がある。
▶用語解説「FIA公認装備品とは?」
【カテゴリー別】4輪レーシングシューズのおすすめ
レンタルカート|スニーカーでOK
レンタルカートは初心者でも気軽に楽しめるカテゴリーであり、ここでは特別なシューズを用意する必要はない。スニーカーで十分対応できる。ただし、薄底でフィット感のあるタイプを選ぶと操作感が向上する。
レーシングカート|カート用シューズ推奨
レーシングカートでは専用のカート用シューズが推奨される。ソールの薄さやホールド感が最適化されており、細かいペダル操作がしやすい。SPARCOやOMPのカート用モデルが定番である。
オートテスト・アベレージラリー|スニーカーOK
オートテストやアベレージラリーのように速度よりも正確な運転技術を競う競技では、スニーカーでも十分参加できる。こちらも薄底のスニーカーを選ぶと操作感が良くなる。
ミニサーキット|スニーカーでもOKだが“導入価値”はある
小規模なサーキット走行であればスニーカーでも対応可能である。ただし、より安定したペダル操作や万が一に備えるならばレーシングシューズを導入してもよいだろう。
サーキット走行会|4輪レーシングシューズ推奨
本格的な速度域に入るサーキット走行会では、レーシングシューズの使用が推奨される。スニーカーよりもペダル操作が安定し、長時間走行でも疲れにくい。FIA規格でなくてもよいが、難燃性を持つ専用品を選ぶと安心である。
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ドリフトテスト|スニーカーで走る場合の注意点
練習会やドリフト体験イベントなどではスニーカーでも参加できる。動きやすさを優先して選ぶと良いだろう。
ドリフト(D1)|FIA公認レーシングシューズ必須
D1のようなトップカテゴリーでは、FIA公認シューズが必須である。難燃性に加え、操作性や耐久性も高い上位モデルが求められる。
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ジムカーナ・ダートトライアル|FIA非公認でもOK
ジムカーナやダートトライアルではFIA公認シューズが必須と思われがちだが、実際にはFIA非公認モデルでも参加可能な場合が多い。難燃性能を備えた非公認レーシングシューズでも十分対応できる。
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ラリー(スペシャルステージ)|FIA非公認でもOK
スペシャルステージ形式のラリーでも、FIA非公認モデルで参加できる。ソールのグリップ力や耐久性に優れたレーシングシューズを選べば安心である。難燃性能を備えた非公認レーシングシューズでも十分対応できる。
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サーキットトライアル|FIA非公認でもOK
サーキットトライアルではFIA公認シューズが必須と思われがちだが、実際にはFIA非公認モデルでも参加可能な場合が多い。
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サーキットレース|FIA公認レーシングシューズ必須
サーキットレースは安全規則が厳しく、FIA公認シューズが必須である。SPARCOやOMPなどの、プロドライバーも使用するモデルが定番となっている。価格は高いが、安全と競技力の両面から投資する価値がある。
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最終確認|カテゴリー別シューズ要件まとめ表
結論だけ知りたい人向けに、カテゴリー別の必要シューズを一覧でまとめた。
| カテゴリー | スニーカー | レーシングシューズ | FIA公認 |
|---|---|---|---|
| レンタルカート | 〇 | 不要 | 不要 |
| レーシングカート | × | 必須 (カート用) | 不要 |
| 広場トレーニング | 〇 | 不要 | 不要 |
| ミニサーキット | 〇 | 推奨 | 不要 |
| サーキット走行会 | 〇 | 推奨 | 任意 |
| オートテスト/アベレージラリー | 〇 | 不要 | 不要 |
| ドリフトテスト | 〇 | 不要 | 不要 |
| ドリフト(D1) | × | 必須 | 必須 |
| ジムカーナ/ダートトライアル | 〇 | 推奨 | 任意 |
| ラリー(SS) | 〇 | 推奨 | 任意 |
| サーキットトライアル | 〇 | 推奨 | 任意 |
| サーキットレース | × | 必須 | 必須 |
※モータースポーツの種類や特徴を解説した記事はこちら
▶「モータースポーツの種類と特徴|初心者が最初に選ぶべきカテゴリー徹底ガイド」
よくある質問|レーシングシューズとスニーカーの境界線
Q1. 4輪モータースポーツはスニーカーでも参加できますか?
参加可能かどうかは競技カテゴリーによって異なる。レンタルカートやオートテスト、アベレージラリーなどでは、スニーカーでの参加が認められているケースが多い。一方で、サーキット走行会以上の速度域になると、レーシングシューズの着用が推奨される場合が増える。公式レースではスニーカー不可となることもあるため、必ず競技規則を事前に確認する必要がある。
Q2. FIA公認レーシングシューズはどの競技から必要になりますか?
FIA公認レーシングシューズが必須となるのは、主にサーキットレースやD1などのトップカテゴリーである。これらの競技では安全規則が厳しく、FIA8856-2018規格への適合が義務付けられている。一方、ジムカーナやダートトライアル、スペシャルステージ形式のラリーでは、FIA非公認モデルでも参加可能な場合が多く、必ずしもFIA公認品が必要とは限らない。
Q3. 走行会や練習走行でもレーシングシューズは必要ですか?
サーキット走行会や練習走行では、FIA公認である必要はないケースがほとんどだが、レーシングシューズの着用は強く推奨される。スニーカーでも走行自体は可能な場合があるものの、ペダル操作の安定性や安全性を考えると、専用シューズの方が安心である。特に走行回数が増えてきた段階では、レーシングシューズを導入するメリットは大きい。
まとめ|4輪レーシングシューズは“必要条件”で選ぶ
4輪モータースポーツにおけるレーシングシューズ選びで最も重要なのは、自分の参加するカテゴリーで求められる「必要条件」を正しく把握することである。高価なモデルやFIA公認品を選べば安心、という単純な話ではなく、競技ごとに装備要件は大きく異なる。
レンタルカートやオートテスト、アベレージラリーのように、スニーカーで問題なく参加できる競技も多い。一方で、サーキットレースやD1のようなトップカテゴリーでは、安全規則によりFIA公認レーシングシューズが必須となり、規格外の装備では出走そのものが認められない。ジムカーナやダートトライアル、スペシャルステージ形式のラリーは、その中間に位置し、FIA非公認モデルでも参加可能なケースが多いのが実情だ。
つまり、シューズ選びで失敗しないための基準は明確である。
「スニーカーで参加できるのか」「レーシングシューズが必要か」「FIA公認が必須か」――この3点を整理するだけで、無駄な出費や装備ミスはほぼ防げる。必要以上に高価な装備を揃える必要はなく、逆に条件を満たしていないシューズでは競技を楽しむ以前の問題になってしまう。
レーシングシューズは、単なる靴ではなく、安全性と操作性を足元から支える重要なレーシングギヤである。自分の走るカテゴリーに合った一足を選ぶことで、ペダル操作の安定感が向上し、安心して走行に集中できるようになるだろう。
これから4輪モータースポーツに挑戦する人も、すでに走り始めて装備を見直したい人も、まずは競技規則と参加カテゴリーを確認し、その「必要条件」を満たすシューズを選んでほしい。それが、長く安全にモータースポーツを楽しむための最短ルートとなる。

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