ヘルメットやグローブと同じく、シューズも走行の安全性や操作性に直結する重要な装備だ。特に四輪モータースポーツでは、競技ごとに求められる性能や規格が異なるため、適切な一足を選ばなければならないのと同時にパフォーマンスにも影響する。
この記事では、初心者でも迷わず選べるようにカテゴリーごとのおすすめシューズを紹介する。レンタルカート、レーシングカート、オートテスト、ジムカーナ、ダートトライアル、ラリー、サーキット走行会、サーキットレースといった主要カテゴリー別に解説するので、自分が挑戦したい競技に合ったシューズ選びの参考にしてほしい。
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結論|カテゴリーごとに必要なシューズは異なる

結論から言えば、どのシューズを選ぶべきかは参加するカテゴリーによって大きく変わる。レンタルカートやオートテスト、アベレージラリーのようにスニーカーで対応できる競技もあれば、サーキットレースやD1のようにFIA公認シューズが必須となるカテゴリーも存在する。その中間として、ジムカーナやダートトライアル、スペシャルステージラリーではFIA非公認モデルでも参加が可能だ。まずは自分が参加するカテゴリーを明確にし、その条件に合ったシューズを選ぶことが最も重要である。
レーシングシューズの役割
安全性を確保するためのシューズ
モータースポーツシューズが最も重視する役割は「安全性」である。燃えにくい素材で作られており、火災や高温のフロアにさらされても足を守れるよう設計されている。特にFIA公認モデルは難燃性テストをクリアしており、公式競技では装備規定により義務付けられている場合もある。さらに、足首まで覆うハイカット形状は炎や熱からの防御だけでなく、靴ひもの引っ掛かりや肌の露出を抑える効果も持つ。
ペダル操作を正確に伝える性能

次に重要なのは「操作性」である。レーシングシューズはソールが薄くしなやかで、ペダルの感触を足裏へ直接伝える。これによりブレーキの踏み込み加減やアクセルの微調整がしやすくなる。つま先は細身に設計されているため、狭いペダル間隔でも誤操作を防ぎやすい。さらに、かかとの形状が丸みを帯びているためペダルの踏み込みや踏みかえをスムーズに行う事ができる。
安定した感覚を維持する耐久性
耐久性も大切な要素である。つま先や靴の側面といった摩耗しやすい部分には補強が施され、ペダルやシフト操作で擦れても破れにくい。ソールには適度な剛性があり、長期間使っても踏み味の変化が少ない。レーシングシューズはレーシングギヤの中でも特に長持ちするので、妥協なくピッタリの一足を選んでもらいたい。
競技参加に必須となる規格適合

最後に忘れてはならないのが「規格適合」である。レンタルカートやオートテストでは任意の場合もあるが、サーキットレースやドリフトのトップカテゴリー(D1など)ではFIA8856-2018の規格に適合したレーシングシューズが必須条件となる。規格外のシューズでは出走が認められないこともあるため、購入前に必ず競技規則を確認しておく必要がある。
おすすめレーシングシューズ
レンタルカート
レンタルカートは初心者でも気軽に楽しめるカテゴリーであり、ここでは特別なシューズを用意する必要はない。スニーカーで十分対応できる。ただし、薄底でフィット感のあるタイプを選ぶと操作感が向上する。
レーシングカート
レーシングカートでは専用のカート用シューズが推奨される。ソールの薄さやホールド感が最適化されており、細かいペダル操作がしやすい。SPARCOやOMPのカート用モデルが定番である。
オートテスト・アベレージラリー
オートテストやアベレージラリーのように速度よりも正確な運転技術を競う競技では、スニーカーでも十分参加できる。こちらも薄底のスニーカーを選ぶと操作感が良くなる。
ミニサーキット
小規模なサーキット走行であればスニーカーでも対応可能である。ただし、より安定したペダル操作や万が一に備えるならばレーシングシューズを導入してもよいだろう。
サーキット走行会
本格的な速度域に入るサーキット走行会では、レーシングシューズの使用が推奨される。スニーカーよりもペダル操作が安定し、長時間走行でも疲れにくい。FIA規格でなくてもよいが、難燃性を持つ専用品を選ぶと安心である。
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ドリフトテスト
練習会やドリフト体験イベントなどではスニーカーでも参加できる。動きやすさを優先して選ぶと良いだろう。
ドリフト(D1)
D1のようなトップカテゴリーでは、FIA公認シューズが必須である。難燃性に加え、操作性や耐久性も高い上位モデルが求められる。
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ジムカーナ・ダートトライアル
ジムカーナやダートトライアルではFIA公認シューズが必須と思われがちだが、実際にはFIA非公認モデルでも参加可能な場合が多い。難燃性能を備えた非公認レーシングシューズでも十分対応できる。
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ラリー(スペシャルステージ)
スペシャルステージ形式のラリーでも、FIA非公認モデルで参加できる。ソールのグリップ力や耐久性に優れたラリー用シューズを選べば安心である。
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サーキットレース
サーキットレースは安全規則が厳しく、FIA公認シューズが必須である。SPARCOやOMPなどの、プロドライバーも使用するモデルが定番となっている。価格は高いが、安全と競技力の両面から投資する価値がある。
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シューズ選び早見表
カテゴリー | 必要・推奨シューズ |
レンタルカート | スニーカーでOK |
レーシングカート | カート用シューズ推奨 |
オートテスト・アベレージラリー | スニーカーでOK |
ミニサーキット | スニーカーでもOK |
サーキット走行会 | レーシングシューズ推奨 |
ドリフトテスト | スニーカーでOK |
ドリフト(D1) | FIA公認品必須 |
ジムカーナ・ダートトライアル | FIA非公認でもOK |
ラリー(スペシャルステージ) | FIA非公認でもOK |
サーキットレース | FIA公認品必須 |
まとめ|自分に合った一足を選ぼう!
モータースポーツ用シューズはカテゴリーによって必要条件が大きく異なる。スニーカーで十分な競技もあれば、FIA公認が必須となる本格レースもある。参加するカテゴリーの条件を確認し、それに合った一足を選ぶことが重要である。
自分が参加するカテゴリーの条件を確認し、それに合った一足を選ぶことが重要である。適切なシューズを履くことで、安全性と操作性が向上し、モータースポーツをより安心して楽しめるようになるだろう。
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