ChatGPTはモータースポーツに使える?活用事例と導入ガイド【実践準備にも対応】

コラム

はじめに|ChatGPT Plusを導入して気づいた活用の可能性

先日、私はChatGPTのPlusプランに課金してみた。もともと無料版を使っていたが、あまりのスムーズさと応答内容の深さに、正直なところ驚かされた。

というのも、私は昔からAIに対して並々ならぬ関心を抱いてきた人間である。『ナイトライダー』のKITTや、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』のアスラーダのような”話せるマシン”に憧れを抱き、今でもあの世界観に心を躍らせている。だからこそ、現実に近づいてきたAI技術を、自分のレース活動に取り入れてみたいと思うのはごく自然な流れだった。

実際に1週間ほどChatGPT Plusを使ってみた結果、まだ完璧ではないものの、すでに多くの場面でモータースポーツ活動に役立てられるという手応えを感じている。本記事では、ChatGPTの一般的な活用事例をベースに、私自身の視点で「レース活動に置き換えたらこう活かせるのでは?」という可能性を探っていきたい。

この記事の目次(クリックでジャンプ)

ChatGPTの基本とモータースポーツでの活用可能性

ChatGPTとは、OpenAIが開発した対話型AIである。膨大なテキストデータを学習し、人間のような自然な文章で返答する能力を持つ。

ビジネスや学習、プログラミングの補助など、さまざまな分野で活用が進むなかで、ChatGPTは「思考を整理するためのパートナー」として使われることが多い。例えば、アイディア出し、文章の構成づくり、チェックリストの作成などが一般的な使い方である。

これらの機能は、モータースポーツの現場でも十分に応用可能だと私は感じている。特に個人ドライバーや小規模チームのように、情報整理や戦略立案を一人で担うケースでは、その恩恵を受けやすいはずである。

ChatGPT無料・Plus・Proの違いとモータースポーツでの使い分け(2025年6月時点)

プラン月額主な特徴本記事の
活用例との相性
 無料版無料GPT-4o と GPT-4.1 mini を”制限付き”で利用可能。混雑時は応答速度低下。ファイル・画像・音声など一部機能制限あり。活用例①〜④・⑥は利用可。大量データ処理や長時間セッションでは制限が先に来る可能性あり
Plus20 USDGPT-4.5プレビュー、Deep Research、画像生成、音声モード、Custom GPTなど多機能を備える。すべての活用例で快適。長文分析や音声対話、ブログ下書き、チェックリスト生成などに最適。
Pro200 USDPlusの全機能+o3-proモデル、Operator(Web操作AI)、高度な自動処理機能などを搭載。活用例⑤(価格調査)や大規模分析に真価を発揮。ただし個人用途にはコストとの相談が必要。

プラン選択の目安

  • まずは無料版で試し、必要に応じてPlusへ。
  • Plusは走行分析や文章作成などの多用途でバランスが良い。(筆者のオススメ)
  • Proは高機能だが、用途が明確な人向け。

活用例①:走行ログや反省メモの要点整理に使う方法

一般的にはChatGPTは「議事録の要約」や「学習メモの整理」に使われることが多い。

これをレースに置き換えると、たとえば走行ログやメモ帳に残した反省点をChatGPTに投げかければ、内容を要約してくれたり、傾向を抽出してくれたりするのに使えそうだ。「ブレーキミスが多かった場面をまとめて」や「セクター2の変化を比較して」など、文章で伝えることでAIが整理してくれる。

たとえば走行メモに「ブレーキングで姿勢が乱れた」「3周目だけセクター1が速かった」といった断片的な内容が並んでいる場合でも、ChatGPTはそれらをまとめ、気づきを与えてくれる可能性がある。

さらに、自分で記録しているラップタイムやセクターごとの通過タイムを表形式で入力すると、「後半3周でセクター2の落ち込みが顕著」や「ブレーキング区間のタイム変動が他より大きい」といった傾向を抽出してくれることもある。

ChatGPTに「この周回データをもとにペースが落ちた理由を推測して」といった問いかけをすれば、路面温度やタイヤ摩耗といった要素を仮定しながら、可能性を提示してくれる。すべてを正確に分析するわけではないが、考えるきっかけをくれる存在として活用できると感じた。

走行後のクールダウン中や帰宅後に、記憶が新しいうちに使うのが効果的だと感じた。

CSVデータを活用したChatGPTでの走行分析手順

実際にChatGPTで走行データを扱う場合は、AIMなどのデータロガーからエクスポートしたCSVファイルを簡易的に加工し、「周」「セクター1」「セクター2」…といった列を持つ表形式で読み込ませる形が多い。

たとえば以下のようなテキストをコピーして貼り付けるだけでも、ChatGPTは十分に傾向を読み取ってくれる。

Lap,Sec1,Sec2,Sec3
1,23.5,28.1,24.2
2,23.6,28.0,24.3
3,24.0,28.6,24.5
…(以下省略)

このように構造化されたデータを渡すことで、「3周目からセクター2だけが顕著に落ちている」など、一定の分析が可能となる。複雑な数式は不要で、簡単な整形だけで十分活用できるのは大きな利点だと感じている。

活用例②:表彰台を狙うための目標タイム設定と練習計画

ChatGPTは「目標から逆算して行動計画を立てる」用途でも活用されている。たとえば、資格試験やダイエットにおいて「いつまでにどんな状態に到達したいか」を設定し、それに向けた段階的なステップを整理するケースだ。

この考え方はモータースポーツにも応用できる。たとえば「表彰台を狙うなら、どれくらいのタイムが必要か」「そこに向けて何を重点的に練習すべきか」といった問いに対し、ChatGPTは過去のレース結果や走行条件などを踏まえてヒントをくれる。

タイムの差を数値として整理することで、次の練習の焦点や、セクターごとの課題が見えてくる。ChatGPTは、練習計画を立てるうえでの“思考の補助ツール”として有効だと感じた。

活用例③:遠征やレース当日の持ち物リスト自動生成法

ChatGPTは「引っ越し準備のToDoリスト」や「登山の装備チェック」などの用途でも活用されている。

これをモータースポーツに応用すると、遠征準備やイベント参加時の持ち物リスト作成に役立つ。車両整備のチェック項目、タイムスケジュール、レース当日の持参品などを伝えることで、自動的に整理されたリストを生成してくれる。漏れやすい作業がある人にとっては、特に重宝するはずだ。

活用例④:レース報告・ブログ・SNS投稿の自動文章支援

一般的にはブログ記事の構成案、SNS投稿の文章案作成などでChatGPTが使われている。

これをレース活動に置き換えると、レース後の報告ポストやスポンサーへのお礼メッセージなどの作成が挙げられる。文体を指定すればカジュアルにも丁寧にも整えてくれるため、発信に慣れていない人でも安心できる。SEOを意識したブログ構成にも対応できるため、情報発信をがんばりたい人にも向いている。

活用例⑤:消耗品やパーツの比較・選定に使う方法

ChatGPTは「家電製品の比較」や「おすすめの製品検索」といったシーンでも使われている。

これをレース活動に応用すれば、たとえば「VITAに使えるブレーキパッドの特徴と違いをまとめて」といった形で、候補製品を調べてもらい、それぞれの特性を一覧化してもらうことができる。実際の購入先までは提示されないが、条件を整理する際のヒントにはなるだろう。Plusプランなら回数制限はあるがWeb検索や価格収集も可能になる。

活用例⑥:レース計画やセッティング判断の補助ツールとして活用

ChatGPTは「キャリア選択の相談」や「進学・転職の比較検討」など、迷ったときの壁打ちとしても利用されている。

これをモータースポーツに置き換えると、「今シーズンはどのレースに絞るべきか」「このセットアップとあのセットアップ、どちらが再現性高いか」など、迷ったときに考えを整理するパートナーとして活用できそうだ。ChatGPTは明確な答えを出すわけではないが、視点を増やすことに長けている。

ChatGPTを使う際の注意点と現状の限界

ChatGPTは便利なツールである一方で、万能ではない。

  • 実走でのフィーリングや五感による判断はAIにはわからない
  • 専門的な物理計算やマシンセッティングの最適化には不向き
  • あくまで「補助的存在」であり、最終的な判断は自分で下す必要がある

AIを「意見の一つ」として受け止める姿勢が重要だと感じた。

まとめ|ChatGPTをレースに活かす第一歩としての実感

ChatGPTを1週間使ってみて、「これはレースに使える」と確信できたわけではない。しかし、考えを整理したり、作業の下準備をしたりする際には、非常に有用なツールだと感じている。

特に個人や小規模チームのように、情報や作業を一人で抱えがちな立場にとっては、ChatGPTは新しい「チームメンバー」のような存在になるかもしれない。夢に見たAIとの協業が、モータースポーツの未来を少しずつ現実に変えていく。

今後は、実際のモータースポーツ活動の中でChatGPTを積極的に実用していこうと考えている。そして、「これは本当に便利だ」と確信できた使い方については、今後もこのブログで紹介していくつもりなので、ぜひ楽しみにしていて欲しい。

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