サーキット走行を始めたいと思ったときに、まず必要になるのが「サーキットライセンス」である。これはレース用の資格ではなく、サーキットを安全に走るための“会員証”のような存在だ。
取得すると、会員限定の走行枠やスクールへの参加が可能となり、一般の走行会より自由度の高い練習環境が手に入る。
この記事では、サーキットライセンスの概要、取得方法、費用、メリットをわかりやすく解説し、初心者が最初に知っておくべきポイントを整理している。
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サーキットライセンスとは?
サーキットライセンスとは、日本国内のサーキットが独自に発行している“走行許可証”のようなものである。
これを持つことで、そのサーキットの会員専用走行枠やイベントに参加でき、より安全かつ継続的な練習環境が手に入る。
なお、サーキットライセンスはあくまで練習走行のための会員制度であり、レース出場に必要なJAFライセンスとは目的が異なる点に注意したい。
サーキットライセンスの取得方法
サーキットライセンスは、各サーキットが独自に運営しているため、取得手続きもサーキットごとに異なる。一般的な流れは以下のとおりである。
1. サーキットの講習会を受講
各サーキットで実施されている講習会に参加する。
内容は次のような基礎知識が中心となる。
- フラッグシグナルの意味
- 安全装備の使い方
- サーキット走行時の基本マナー
- 走行ラインや注意点
講習は半日ほどで修了することが多く、実技試験はなく、テストは簡単な筆記確認のみというケースが多い。
2. 入会金・年会費の支払い
講習を終えたら、所定の入会金と年会費を支払うことでライセンスが発行される。
更新時も年会費が必要となる。
取得にかかる費用の目安
サーキットによって費用は大きく異なるが、一般的な相場は次の通りである。
- 入会金:5,000円〜10,000円程度
- 年会費:10,000円〜30,000円程度
- 講習費:無料〜5,000円程度(入会金・年会費に含まれる場合あり)
年間で継続的に走るなら、年会費を含めた維持費を見込んでおくとよい。
サーキットライセンスのメリット
ササーキットライセンスを取得すると、以下のようなメリットが得られる。
- 会員限定のフリー走行枠に参加できる
- 通常料金より割安で走行できる場合がある
- 会報誌や走行スケジュール、イベント情報が届く
- 会員限定スクール・会員走行会に参加可能
これにより、走れる機会が増え、より計画的にドライビングスキルを高められる。
サーキットライセンスを発行している主なサーキット
日本には多数のサーキットが存在するが、ライセンス制度を導入している代表的なサーキットを以下にまとめる。
それぞれのサーキットでライセンス制度や走行ルールが異なるため、事前に確認しておくとよいだろう。
- ▶関連記事:「国内サーキット一覧」
JAFライセンスとの違い
JAFライセンス(国内Bライセンス・国内Aライセンスなど)は、JAFが発行する“競技ライセンス”で、公式レースへ出場するために必要な資格である。
- ▶関連記事:「国内Aライセンスとは?」
- ▶関連記事:「国内Bライセンスとは?」
サーキットライセンスはあくまで「サーキットで練習をするための会員資格」であり、レース参戦には使用できない。
| 項目 | サーキットライセンス | JAFライセンス |
|---|---|---|
| 発行主体 | 各サーキット | JAF |
| 主な目的 | 練習走行・走行会参加 | レース・競技出場 |
| 対象者 | 初心者〜上級者 | 主に競技参加者 |
| 実技試験 | なし | ライセンスによってはあり |
本格的にモータースポーツに取り組む場合は、まずサーキットライセンスで練習し、その後JAFライセンスへステップアップするのが一般的である。
モータースポーツの第一歩として
サーキットライセンスは、サーキット走行を始めるための重要な一歩であり、初心者でも講習会を受けることで安全に走行を始められる。
無理のないペースで練習を積み、ライセンスを活用してモータースポーツをより楽しく、充実したものにしてほしい。


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