四輪モータースポーツを始めようとしたとき、意外と迷ってしまうのが「四輪ヘルメットはどこで買えばいいのか」という点だと思う。この悩みを解決できないがためにバイク用ヘルメットで妥協してしまうこともあるように感じる。
実際、四輪ヘルメットはバイク用ヘルメットよりも扱う店舗が少なく、初めての人ほど購入ルートでつまずきやすい。しかし、買い方の選択肢と特徴さえ理解すれば、誰でも安心して自分に合う四輪ヘルメットを手に入れることができる。
この記事では、四輪ヘルメットを購入する3つのルート を整理し、それぞれのメリット・デメリット・注意点をまとめている。結論として、もっとも再現性が高く失敗しにくいのは バイク用アライヘルメット取扱店でアライ製の四輪ヘルメットを取り寄せる方法だ。その理由を含めて、ここから詳しく解説していく。
目次(クリックでジャンプ)
結論| “バイク用アライヘルメット取扱店”が最も無難な購入方法

四輪ヘルメット購入で最も安定した選択肢が バイク用アライヘルメットの取扱店 となる理由は単純である。
- 全国に店舗数が多い
- 試着がしやすい
- アライのフィッティング思想が四輪も共通
- 店頭でサイズを確定し、四輪モデルを取り寄せできる
四輪ヘルメットはバイク用とは構造が異なるが、サイズ感はかなり近い。そのためバイク用アライヘルメットを試着することで、四輪モデルのサイズをほぼ確実に決定できる。
「専門店が近くにない」「遠征してまで買いに行くのは大変」という人にとって、この方法は非常に現実的である。
四輪ヘルメットを購入する3つのルートの比較
以下は、読者が迷わず選べるように比較した一覧表である。
| 項目 | 四輪ヘルメット 専門店 | バイク用品店 (アライ取扱店) | 通販サイト |
|---|---|---|---|
| メリット | ・四輪専門知識が豊富 ・海外メーカーも選べる ・フィッティング調整が可能 | ・全国どこでも試着可能 ・サイズ合わせが確実 ・四輪モデルの取り寄せが容易 | ・24時間購入手続き可能 ・価格比較が簡単 ・買い替えに最適 |
| デメリット | ・全国に数店舗しかない ・在庫が少ない場合あり | ・アライ製に限定 ・店舗ごとに知識差あり | ・試着不可 ・製造年月日を選べない ・返品対応に差がある |
| 向いている人 | 初心者、複数メーカーから選びたい人 | 初心者、地方在住者、確実にサイズ合わせしたい人 | 買い替えの人、型番が分かっている人 |
| 注意点 | ・営業日と在庫確認が必須 ・返品ポリシーの事前確認 | ・製造年月日の確認 ・返品対応の可否 | ・タグや保護シールを剝がすと返品不可 ・外箱必須 |
ルート① 四輪ヘルメット専門店|最も確実だが店舗数が少ない
四輪ヘルメットの専門店は、最も失敗が少ない買い方である。
アライ、Bell、Stilo、Sparcoなど、海外含む幅広いメーカーを取り扱っており、四輪競技に詳しいスタッフがアドバイスをしてくれるため、初心者でも安心感がある。
しかし最大の難点は 店舗数が極端に少ない ことである。
大都市に集中していて、地方都市はほぼゼロという状況であり、多くの人にとって現実的かどうかは微妙である。
メリット
- 四輪専門の深い知識がある
- 複数メーカーを試着して比較できる
- プロによるフィッティング調整が可能
- モータースポーツ初心者でも迷わず選べる
デメリット
- 店舗数が少なく、遠征が必要なことが多い
- 在庫の有無が不安定
- 営業日が変則的な場合もある
行く前に確認すべきこと
- 営業日・営業時間(臨時休業がある店舗も多い)
- 試着したいモデルの在庫
- 返品・交換対応のルール
私が購入経験のある専門店
これらは筆者が信頼している店舗であり、ヘルメット購入のみならず、レーシングギヤ購入全般で心強い存在。
ルート② バイク用アライヘルメット取扱店|全国で再現可能な最適ルート
四輪ヘルメット購入で「現実的に最強」なのがこのルートだと思う。
アライのヘルメットは、バイク用と四輪用で構造が異なるものの、内装のフィッティング思想は共通している。
そのため、バイク用アライヘルメットで頭のサイズと形状を確かめれば、四輪用ヘルメットのサイズ選びもほぼ正確に行える。
四輪用ヘルメットは取り寄せになるが、試着の時点でサイズが確定しているため失敗が少ない。
メリット
- 全国に店舗が多く、誰でも利用できる
- 試着しやすく、サイズミスを防ぎやすい
- アライ・テクニカルプロショップなら専門的な調整も可能
デメリット
- アライ製品に限定される
- 店舗ごとに四輪ヘルメットの知識には差がある
- 取り寄せのため時間がかかる
要確認項目
- 製造年月日の新しい商品を取り寄せられるか
- 返品・交換対応の可否
- アライ・テクニカルプロショップかどうか
全国どこでも再現できるという点で、私はこのルートを初心者に最も推奨している。
- ▶関連サイト:「アライ・テクニカルプロショップとは?」
ルート③ 通販サイト|買い替えや急ぎの人向け
通販サイト(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング)はとても便利であり、買い替えの人にとっては最適な選択肢となる。
ただし、初めてのヘルメット購入にはリスクが大きい と感じている。
メリット
- 最安値を比較しやすい
- 24時間いつでも注文できる
- 在庫が豊富で納期が早い
デメリット
- 試着できない
- サイズミスの可能性が高い
- 製造年月日を選べない
- 返品条件がショップごとに異なる
注意点
- タグやシールを剝がすと返品不可
- 外箱を捨てると交換できない
- 届いたら必ず 製造年月日 を確認
通販は便利だが、初購入時は極力避けた方がよいと私は思っているが、どうしても通販以外での購入が難しい場合は、次に記す「採寸」と「購入後の自宅での試着」を念入りにやってもらいたい。
ヘルメット購入を失敗しない方法3選
ヘルメットの採寸で失敗しない方法
採寸はヘルメット選びの核心部分となる。
正確に測らないと、どの店で買っても失敗するリスクがある。
採寸の手順

- 柔らかい裁縫用メジャーを使用する
- バラクラバを着用した状態で測る
- 眉より1cmほど上の水平ラインを測定
- 最低でも5回測り、最も大きい数値を採用する
- 可能なら他人に測ってもらう
バラクラバ着用計測は非常に重要で、これを怠ると実際の使用時にサイズ差が出やすい。
採寸用メジャー
バラクラバ(FIA未認証品)
バラクラバ(FIA認証品)
店舗での試着時にチェックすべきポイント
試着では「痛み」「ズレ」「圧迫感」の3つを重点的に確認する。
試着チェック項目
- バラクラバ着用必須
- 頭部に痛みが出ないか
- 頬は少し圧迫感があっても問題なし(痛みがあるのはNG)
- 上下左右に頭を振ってズレがないか
- 被った瞬間に“浮き”を感じないか
よく使っているうちに馴染むと言われることがあるが、圧迫感レベルならば馴染む事で消えることはあるが、痛みがあるレベルは馴染んでも消えることはない。必ずひとつ上のサイズを注文するようにしよう。
購入後の自宅試着|30分着用チェックで失敗を防ぐ
短時間の試着では違和感に気づけないケースは非常に多い。
そのため、購入後は必ず以下を実践してほしい。
自宅試着の手順
- タグ・ラベル・シール付きのままバラクラバを着用し、ヘルメットを被る
- 30分ほどそのまま過ごす
- 頭頂部・側頭部・後頭部に痛みが出ないか確認
- 深く被れているか鏡でチェック
- 少しでも違和感がある場合はサイズ交換を検討する
注意点
- タグやラベル・シールなどを剝がすと返品不可
- 外箱保管は必須
- 痛みを無理に我慢しない
よくある質問(FAQ)
Q:バイク用ヘルメットを四輪で使える?
A:使える場合と使えない場合がある。バイク用ヘルメットを使用できるイベントもあれば、四輪専用規格を必須とする競技やイベントもある。
詳しくは以下の記事で解説している。
Q:FIA8859とSNELL SA規格の違いは?
A:どちらも四輪競技専用の国際安全規格である。競技会によって求められる規格が異なるため、参加前の確認が必要となる。
Q:製造年月日はどれくらい気にするべき?
A:非常に重要である。JAF公認競技会ではヘルメットの使用期限を製造から10年以内と定められている。そのため、可能であれば 製造から1年以内 を選びたい。妥協しても 2年以内 、それ以上古い製品は割引があれば購入を検討しよう。
- ▶関連記事:「四輪ヘルメットのメンテナンスと保管方法【10年愛用するコツ!】」
Q:試着してから通販で買ってもいい?
A:基本的におすすめしない。実店舗でサイズ合わせだけ行い、通販で安く買うという考え方は、店舗側に嫌がられることが多い。また、四輪用ヘルメットはそもそも 通販で極端に安売りされることは稀であり、実店舗との価格差が小さいため、あまり意味がない。
まとめ|最終的なおすすめの買い方
結局どのルートが最適なのかは、人によって異なるが、以下が基準となる。
- 初心者 → バイク用アライヘルメット取扱店(最も安全・再現性が高い)
- 複数メーカーを比べたい → 四輪ヘルメット専門店
- 買い替えで型番やサイズ感もわかっている → 通販サイト
どのルートで買うにせよ、重視すべきは “痛みのないフィット感” である。
ヘルメットは命を守る装備であり、妥協が事故時の結果を左右する。
採寸 → 店舗試着 → 自宅30分試着。
この3ステップを丁寧に行えば、快適で安全なヘルメットに必ず出会えると思う。快適なヘルメットは安全性の向上のみならず、運転のパフォーマンスにも直結する。必ず妥協せずに選んでもらいたい。


























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