年に一度の大勝負の時期がやってきた。別に年に一度と決めているわけではないが、ドライバーとチームの予定が合うのが9月だけというのが実状だ。一点集中のレースの結果は──
- 予選:2位
- 決勝:3位
表彰台には乗ることができたが、なんとも煮え切らない結果となった。このレースウィークに起こったことを“ゆるーく”書き留めたので、時間が許す方はぜひ読んでほしい。
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テスト走行Day①
サーキットに到着してその暑さに愕然とした。まだ朝の7時だというのに、外にいると汗が吹き出してくる。札幌に住んでいるため関東の暑さには慣れておらず、体にはかなり堪えた。
1本目の走行前にはかなりのドタバタがあった。シートベルトの長さが全然合わない。どうやら別の車両にベルトを貸し出したため、設定がまったく変わっていたのだ。走行開始30分前からまさかのシート取り外し作業が始まった。
なんとかベルトを装着して8分遅れでコースインしたが、ベルトバックルが右にずれており体がしっかり固定できない。ブレーキのたびに体が斜め方向に動いてしまう始末。最初の1本目は各部の異常チェックにとどめた。
2本目はしっかりベルトを調整し直してからの走行。ベルトが正しい位置にあるだけで体のホールド性は段違いだ。思い切りブレーキを踏むことができ、結果的に突っ込み過ぎ傾向が出たが、これは試行錯誤の一環だろう。
車両のバランスを一通り確認。最近は車のバランスが良すぎて、「あとはドライバーが頑張れ!」の領域に入っており、車からもプレッシャーを感じる。好感触のまま、テストDay①を終了した。
テスト走行Day②(レース前日)
テストDay①と比べれば湿気が少ない分楽だったが、暑さは衰えていない。体力を削られすぎると翌日のレースに支障が出るため、3本ある走行枠のうち2本だけ走ることにした。残りの1本はライバルの走りを観察する時間に充てた。
1本目では前回の走行で見つけたネガを修正。これが一発で解消され、タイムもライバルと比較して上々だった。こんなに調子が良い前日テスト走行は初めてで、逆に不安になるほどだ。
2本目はセッティングの逆振りを試してみた。悪くはなかったが、他の部分で調整が必要な動きを見せたため、このセッティングは見送ることに。最終的に1本目のセットでレースに挑むことを決めた。
最後のセッションは走らず、コースサイドでライバルの観察。同じVITAという車種でも走り方は千差万別でありながら、最終的にタイムが収束する点がワンメイクレースの醍醐味だ。
レース当日
早朝から受付まで
この数日間、チームの雑魚寝部屋を使わせてもらった。使用しているのはチーム内でも2人程度で、自前のマットと寝袋で寝ているが、下手なビジネスホテルより熟睡できた。レース当日の目覚めは快調だった。
受付開始は8時と遅めだったが、その時点で気温は30度を超えていた。装備品チェックが毎回違う形式で行われるため、今回は現品チェックと書類提出の両方に対応する必要があった。こうした点はぜひ統一してほしいと感じた。
予選
予選は10時10分開始。天気予報では曇りだったが、実際には晴天でとにかく暑い。筑波独特のルールで、コースイン順は車両の並べた順番で決まる。自分は10番手でのコースインとなった。
今回は前の車両を利用してスリップストリームを効かせる作戦を選んだが、これが失敗の原因だった。自分のペースが良すぎて、前の車両にすぐ追いついてしまい、クリアラップを取れなかった。結果的に新品タイヤが一番グリップするタイミングを逃し、2番手に終わった。ポールポジションを狙っていただけに悔しい予選だった。
決勝
スタートは可もなく不可もなく。2位をキープしながらトップ車両の走りを観察し、後続との差も確認していたが、3周目に最終コーナーでシフトミスを犯し、2台に抜かれて4位に後退してしまった。
その後は必死に3位を追いかけ、最終コーナーで仕掛ける作戦を決行。バックストレートで並走しながら最終コーナーで相手のラインを潰し、1コーナーで前に出ることに成功した。なんとか3位表彰台まで順位を戻したものの、2位との差を詰めるには周回数が足りず、そのままチェッカーを受けた。
まとめ
前日のテスト走行が好調だっただけに、悔しい結果と言わざるを得ない。決勝レースでファステストを記録したものの、予選でのポジション取りの失敗と決勝中のシフトミスが響いた。
技術面や体力面だけでなく、メンタルトレーニングの必要性を痛感した。次戦に向けてさらなる成長を目指したい。
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