SLカートとは?
SLカートとは、「Sports & Leisure(スポーツ&レジャー)」の略称であり、初心者から上級者まで幅広く楽しめるレーシングカートカテゴリーである。
運営はSLカートスポーツ機構(SLO)が行っており、「広く多くの人にカートとレースの楽しさを伝える」「ジュニアカーターの育成」「アジアとの交流の架け橋となること」を理念として掲げている。こうした理念のもと、SLカートは日本全国で普及が進んでいる。
SLカートミーティングは、全国共通のルールで開催される国内最大規模のカートレースであり、子どもからシニアまでが腕を競い合う健全なモータースポーツ文化として定着している。
JAF公認カート大会との違い
日本にはJAF(日本自動車連盟)が公認するカート大会も存在するが、SLカートはJAF公認ではない独自のレース体系である。JAF大会は全国大会やプロへのステップアップを視野に入れた競技性の高いレースである一方、SLカートはモータースポーツの楽しさをより多くの人に広めることを目的としたエントリー向けのレースとなっている。
特にSLカートは、ライセンスの取得が簡易で、費用も比較的安価な点が魅力である。自分も初めて参加したとき、その気軽さに驚いたことを覚えている。
SLカートミーティングの特徴と魅力
ワンメイクによる公平なレース環境
SLカートミーティングは、ヤマハ製のKT100Sエンジンを使用したワンメイクレースである。エンジンの改造は一切禁止されており、マシン性能の差がつきにくいため、ドライバーの技量が勝敗を左右する実力勝負のレースとなる。
また、使用するタイヤやシャシーにも規定があり、ローコストかつイコールコンディションでレースを楽しめる点も大きな魅力である。
年齢や経験に応じた多様なクラス分け
SLカートでは、ドライバーの年齢や経験に応じた細かなクラス分けが用意されている。以下に代表的なクラスを紹介する。
クラス名 | 対象 | 特徴 |
YAMAHA TRYカデット | 小学2年生以上 | 小柄なドライバー向け。小さいシャシーと抑えたパワーで安全性を重視 |
YAMAHA カデットオープン | 小学2年生以上 | 複数メーカーからシャシーを選べる上級版カデット |
YAMAHA TIAジュニア | 小学4年生〜中学生 | 大人用サイズのシャシー使用。パワーは控えめ |
YAMAHA TIA | 小学6年生以上 | birel TIAのワンメイク。実践的なスキルを磨ける |
YAMAHA SSジュニア | 小学4年生〜中学生 | ドライビングスキルの向上に適した中級クラス |
YAMAHA SS | 小学6年生以上 | 自由にシャシーを選択可能。競技性が高い |
YAMAHA スーパーSS | 30歳以上 | 経験豊富な大人たちによる白熱のバトルが魅力 |
YAMAHA SSレジェンド | 45歳以上 | スーパーSSと同条件。より落ち着いたレース展開 |
このようなクラス制度により、子どもから大人までが無理なくステップアップできる環境が整っている。
SLライセンスの取得方法
SLカートミーティングに参加するには、『SLメンバーズカード』と呼ばれるライセンスが必要である。これは全国のカート場などで行われる講習を受講すれば、小学2年生以上なら誰でも取得できる。
取得方法も簡単で、その場で即日発行されるケースもある。取得費用は9,000円〜12,000円前後が相場である。
年に一度の祭典「SLカートミーティング全国大会」
毎年開催されている『SLカートミーティング全国大会』は、各地のシリーズ上位者やチャンピオンたちが集い、全国No.1の座をかけて争う格式高いイベントである。
この大会は1977年から続く歴史あるレースであり、過去のチャンピオンの中には有名なプロドライバーも多数輩出している。前夜祭なども開催され、ドライバー同士の交流の場としても盛り上がりを見せている。
まとめ:SLカートはすべての人に開かれたモータースポーツ
SLカートは、気軽に始められる一方で、本格的なレースの世界にも触れられる稀有な存在である。ワンメイクレースならではの公平さ、年齢や経験に応じた多様なクラス、そして全国大会という大きな目標。すべてがモータースポーツの楽しさを最大限に引き出してくれる。
自分自身、初めてSLカートに出会ったときのワクワク感と高揚感は今も忘れていない。少しでも興味がある方には、ぜひ一度体験してほしいと思う。
SLカートこそ、日本のモータースポーツ文化の土台となっている存在であり、これからも多くの人に愛され続けるだろう。
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